実践!スパイウエアを削除せよ

 ここまで見てきて、「ひょっとして私のマシンにもスパイウエアが入っているのでは?」と心当たりのある人は、実際にスパイウエアを探してみよう。最近は、スパイウエアを検出・駆除できるセキュリティソフトが増えてきた。専用のスパイウエア対策ソフトが各種登場してきたほか、老舗のウイルス対策ソフトもスパイウエアに対応しつつある。

●最近はウイルス対策ソフトも
スパイウエアに対応
ウイルス対策の機能を拡張して、スパイウエアにも対応したセキュリティソフトが増えている。画面は「Norton AntiVirus 2005」(シマンテック)。手動でウイルススキャンをする際に、一緒にスパイウエアを検出・駆除できる

ウイルスが先です、絶対!

 では早速――といいたいところだが、その前に大事な注意点がひとつ。コンピューターウイルスへの対策である。スパイウエアごときに気をもんで、ウイルス対策が不十分ではまさに本末転倒。ウイルス対策ソフト(メーカー製パソコンなら何かしら入っているはずだ)をきちんと働かせ、「定義ファイル(パターンファイル)」を最新版に更新して、ウイルスがいないかチェックしよう。もし見つかったらスパイウエアも侵入している可能性が高い(というか、スパイウエアどころの騒ぎではない)。

 こう考えると、まず気になるのはウイルス対策ソフトのスパイウエア対策機能だろう。対応している主な製品を下表に挙げた。表には、標準設定で同機能が有効になるか(初期設定)、スパイウエアの侵入を未然に防ぐ機能があるか(常時監視)、検出したスパイウエアを取り除く機能があるか(駆除)も示した。

●スパイウエア検出機能のある主なウイルス対策ソフト
製品名
メーカー(URL)
価格 初期
設定
常時
監視
駆除 特徴
Norton AntiVirus 2005
シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
7140円 × ウイルス手動検索時にスパイウエアも検出・駆除可能。常時監視はない。メール、メッセンジャーのスキャンでもスパイウエアを検出
ウイルスセキュリティ2005EX
ソースネクスト
http://www.sourcenext.com/
1980円 旧版「ウイルスセキュリティ2004」「同 2005」のユーザーも無料のオンライン更新でスパイウエア対策機能を追加できる
ウイルスバスター2005
インターネット セキュリティ

トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/
8925円 × 2005年版から駆除が可能に。スパイウエアだけの手動検索ができる。6月ごろに、削除したスパイウエアの復元機能を追加予定
マカフィー・ウイルススキャン 2005
マカフィー
http://www.mcafee.com/jp/
5754円 ウイルスと一緒にスパイウエアを検出・駆除可能。常時監視もある。企業向けには、より検出件数の多いスパイウエア専門ソフトがある

 検出できるスパイウエアの種類は製品によって異なる。詳細は後で述べるが、専用のスパイウエア対策ソフトに比べると検出できるスパイウエアの数は少ない。心配なら、ウイルス対策ソフトと専用ソフトを併用するのが賢明だ。

善玉スパイに遠慮がち

 留意したいのは、むしろメーカーの考え方である。前章で述べたように、スパイウエアは悪意のあるウイルスとは違い、「使い方次第で善玉にも悪玉にもなる」(前出のトレンドマイクロの瀬川氏)。例えばキー操作を記録するキーロガーは、厳重なセキュリティ管理を求められる金融システムで利用記録を残すなど、保安目的でも使われる。あるいはアドウエア付きと承知したうえで無料ソフトを使っているユーザーもいるだろう。ユーザーが納得ずくで入れるなら悪質と言い切れないのがウイルスとの違いの一つ。この点に関するメーカーの考え方がソフトの仕様となって現れる。検出できる数が専用ソフトより少なかったり、標準設定でスパイウエア対策機能が働かない製品があるのはこのためだ。

取れすぎて判断に迷う

 一方のスパイウエア専用ソフトにはこのような遠慮がない。ウイルスは取れないのだから、遠慮していたら何のための専用ソフトか分からない。半面、駆除すべきか判断に迷うようなものもスパイウエアとして検出されるので、検出後に悩むのも事実。取りあえず、「知らないうちに入っていたプログラムを把握する」という目的で使ってみてはいかがだろうか。検出だけで駆除しないことも可能だ。その後、エイヤッと全部駆除するか、本当に迷惑なものだけ選んで駆除するかは読者の判断にゆだねる(後者はかなり難しい)。

●スパイウエア対策の専用ソフトに
マイクロソフトも参入
2005年1月にマイクロソフトが配付開始した無料のスパイウエア対策ソフト「Windows AntiSpyware」のベータ版(英語版のみ)。同社が2004年12月に買収した米ジャイアント・カンパニー・ソフトウエアの技術をベースに開発された

 表に主な専用ソフトを挙げたが、市場はここ数カ月で大きな動きがあった。無償オンラインソフトだった「Spybot Search & Destroy」や「Ad-Aware SE」シリーズがサポート付きでパッケージ販売されるほか、マイクロソフトも2005年1月に「Windows AntiSpyware」のベータ版提供を開始(無償だが英語版のみ)。企業向けセキュリティ製品を手掛けていたコンピュータ・アソシエイツも米ペストパトロールを買収して4月からコンシューマー市場に参入した。

●主なスパイウエア対策ソフト
製品名
メーカー(URL)
価格 常時
監視
特徴
eTrust PestPatrol
アンチスパイウェア 2005

コンピュータ・アソシエイツ
http://www.caj.co.jp/
5680円 2004年8月に買収した米ペストパトロールの技術をベースに開発。常時監視機能もある
Ad-Aware SE Personal
アスキーソリューションズ
http://www.asciisolutions.com/
無料 × スパイウエアの検出・駆除が可能なフリーソフト。常時監視機能はない。ダウンロード版のみ
Ad-Aware SE Plus 英語版
アスキーソリューションズ
http://www.asciisolutions.com/
5229円 「同 Personal」に常時監視機能を追加したダウンロード版。日本語版は3月末以降に提供
Ad-Aware SE Professional
英語版

アスキーソリューションズ
http://www.asciisolutions.com/
7329円 「同 Plus」に、実行中のスパイウエアを終了する機能を追加したダウンロード版。日本語版は3月末以降に提供
Spybot Search & Destroy
セイファーネットワーキング
http://www.safer-networking.org/
無料 検出・駆除・常時監視機能を備えるフリーソフト。駆除前にはWindowsの復元ポイントを作成してくれる。ダウンロード版のみ
Spybot Search & Destroy
キヤノンシステムソリューションズ
http://canon-sol.jp/
5250円 機能は無料版と同じ。無料版を新たに日本語化・修正したうえで、国内でのサポートも行う
X-Cleaner
ネクステッジテクノロジー
http://www.shareedge.com/
5038円 × 米エックスブロックシステムズの製品が日本語化され、2月末に国内で初登場。ダウンロード版のみ。検知・駆除が可能
スパイゼロ 2006
インターチャネル
http://www.interchannel.co.jp/
4980円 韓国の大手ポータルサイト「MSN Korea」など計20サイトにてASPサービス提供中のソフト。ダウンロード版もある

 SpybotとAd-Awareは無償のダウンロード版と有償パッケージの両方がある。無償版は常時監視など一部の機能が制限されているが、検出機能は有償版と変わらない。ただし、サポートは受けられないので使用は自己責任となる。

にわかに増えてきたスパイウエア専用対策ソフトの日本語版パッケージ製品。右は「Ad-Aware SE Professional」、左は「Spybot Search & Destroy」

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