デジタルカメラのレビュー記事を読むと、ノイズが出やすい、出にくい、という視点での評価が載っています。自分が満足して使っているデジタルカメラなのに、「ノイズが出やすい機種だ」なんて書いてあったら、どこがノイズなのって、ドキッとしますよね。

 実はノイズと言っても、デジカメの構造によるものから画像処理により発生するものまで、いろいろあるのです。今回は主なデジタルカメラのノイズを解説してみましょう。

■CCDの「ノイズ」とは

 一般的にデジカメのノイズと言えば、CCDが光を受け取り信号として出力するまでの過程で発生する、画像のざらつきを指します。このノイズは縮小すると分からないので、高画質で撮ってパソコンで縮小して見ていると気付かないかもしれません。でも、元の画像を拡大してみると、本来そこにない色(偽色)が出ています。この偽色がノイズです。ちょっと暗いところや影になったところに出やすいので、人の顔の影になった首などを拡大してみると、見つかるかもしれません。肌色とはぜんぜん違う色が混ざっていたら、それがノイズです。

 縮小すると分からないノイズであっても、大きくプリントすると目立ってきますし、フォトレタッチソフトで補正をすると影響が出たります。

 下の建築物の写真は、1600×1200ピクセルで撮影しました。小さく縮小して使う分には偽色は見えません。この画像を、元の大きさからさらに3倍に拡大して、偽色を目立つよう加工したのが写真(2)です。赤と緑がムラムラと出ています。

 こうしたノイズが出ないようにするには、画面に暗いところや影になるところをなるべく作らないこと。暗くなりそうなときは、フラッシュを利用しましょう。

 また、このタイプのノイズはISO感度を高くすると出やすいので、明るくないところでもISO感度を低く設定して、三脚などを使って撮影するのも1つの手です。

 もし、ノイズが出やすい被写体が多いときは、もっと根本的な解決方法があります。ノイズの出にくい機種を探すのです。

 でも、これがなかなか難しいのです。ノイズの出やすさ指数などがパンフレットに載っていれば探しやすいのですが、そうもいきません。雑誌のレビュー記事やWebの掲示板で気になる機種をチェックするのが現実的な対処法でしょう。CCDのサイズに注目するのも、いいかもしれません。理屈では画素数に対してCCDのサイズが相対的に小さい機種は、ノイズが出やすいのです。CCDはどんどん進化しており一概には言えないのですが、同じ時期に登場した機種で画素数が近いのに、CCDが小さいようならノイズが出やすい傾向があります。


小さくして見る限りは、ノイズは見えません

写真(2):ノイズが分かりやすいよう元データを300%拡大でよーく見ると、こんなムラが出ています

長時間露出によるノイズ

 次は夜景など、1秒を超える長いシャッター速度になる場合に発生する、独特のノイズについて解説しましょう。

 例えば暗いはずの夜空に、ポツンと明るい点が出ているのです。この原因は、いわば遅いシャッター速度というハードワークに耐えられなくなったCCDの特定の画素が、暴走したようなものです。

 このタイプのノイズに対処するため、一部の機種には「ノイズリダクション」と言われる機能が付いています。

 ノイズリダクションの付いてない機種で撮影したのが写真(3)、ノイズリダクションの付いてる機種で撮影したのが写真(4)です。(3)は、ノイズが分かりやすいよう25秒の長時間露出にするなど、両者の撮影条件は少し違っていますが、ノイズリダクションの威力ははっきり分かりますよね。

 ノイズリダクションが作動していると、画像を記録する前にデジタル処理でノイズを取り除くので、保存完了までにその分余計に時間がかかります。


写真(3):ノイズリダクションの付いてない機種で。クリックして拡大するとノイズが確認できます

写真(4):ノイズリダクションの付いている機種で

JPEG圧縮によるノイズ

 デジタルカメラで撮った写真を、JPEG形式のデータで記録すると、JPEG形式特有のノイズが発生します。

 JPEG形式の画像は、見た目に自然なままにデータサイズを小さくするために、特殊な方法でデータを減らしています。そのとき、縦横8×8ピクセルを1単位として処理します。そのため、特に8×8ピクセルの端のところで、次の8×8ピクセルと不自然なつながりになったります。

 このJPEG圧縮によるノイズは、ブロックノイズとも言われています。圧縮率を高めるほど顕著に出てきます。

 このノイズも画像を縮小すると見えなくなりますが、大きくプリントしたり、補正すると目立ってきます。なるべく高画質で記録、あるいはJPEG以外の方法で記録することで、ノイズを防ぐことができます。


圧縮率を無理に高めた(つまりファイルサイズは小さくなります)写真。一目でブロックノイズが分かります

アンシャープマスクによるノイズ

 そして最後は、JPEGと同様、画像を加工するときに発生するノイズです。デジタルカメラ内部の加工で起こることもありますし、レタッチソフトで加工するときに起こることもあります。小さなサイズの画像で、画像をクッキリ見せるため輪郭を強調する際に発生します。

 論より証拠、写真(5)と写真(6)を見てください。後者のほうがはっきり見えます。しかし、(5)も(6)も元は300万画素デジタルカメラで撮った画像を縮小したものなのです。

 はっきり見せる加工とは、デジタルカメラの輪郭強調の機能、レタッチソフトの「アンシャープマスク」機能を指します。デジタルカメラの機種によっては、全ての画像に強めの輪郭強調を行う機種もあります。加工すると、元の輪郭の外側に別の線ができたりします。

 画像をWebで使おうとサイズ縮小すると、画像がどうもぼんやりしませんか? そんな時は「アンシャープマスク」でクッキリ加工をすると画像の見栄えが良くなります。ただしノイズが入るのですから、2度目、3度目に加工する場合には、この種のノイズがジャマになります。さらにクッキリさせすぎるとザラザラ感が強調されすぎるのでやりすぎは禁物です。


写真(5):アンシャープマスクの加工を行わない画像

写真(6):アンシャープマスクの加工を行った画像。細かい文字が見えるなど、メリハリがつきました

拡大してみると、カメラの輪郭に線がういているのが分かります