■対応製品: 絞りとシャッター速度を調節できるデジカメ

 今回は、絞りとシャッタースピードの関係についてお話しします。デジタルカメラでも普通のカメラでも、写真を撮るのに使う光の量は、絞りとシャッター速度で調節します。シャッター速度と絞りを調節すれば、明るさは同じでも、いろいろ違った表現ができるのです。

 以前、絞りは、背景をぼかして撮りたいときに、とても便利な使い方があることをお話しました。絞りには、もうひとつ大切な役目があります。
 絞りを開けるほど、レンズを通過する光の量が多くなります。一方、シャッターは、シャッター速度を速くするほど、レンズから光が入ってくる時間は短くなります。
 つまり、一定の光の量を得るためには、絞りを絞るほどシャッター速度は遅くし、シャッター速度を速くするほど絞りは開けなければならない、ということです。

 では、下の2枚の写真を見てください(写真をクリックすると大きな画像を表示します)。


シャッター速度を1/60で撮っています。絞りが開いていて、ピントのあう奥行きがとても狭くなています。葉っぱにピントを合わせたので、葉っぱより遠い食器にはピントから外れています(クリックすると大きな画像を表示します)シャッター速度を1/4で撮っています。1に比べて絞りがずっと絞り込まれた状態になっています。シャッター速度が遅いので、風で葉っぱが揺れているのが、ブレとして写っています

 上の写真のうち、1は、シャッター速度を1/60 秒で撮ってます。このシャッター速度に合うよう、絞りがかなり開きました。絞りは、開くほど、ピントの合う奥行きが狭くなります。このピントが合う奥行きのことを「被写界深度」といいます。深度なので深い、浅いで程度を表します。ピントが合う範囲が狭い=被写界深度が浅いということです。この写真では、被写界深度が浅く、テーブルの上の食器類がすでにピントから外れています。

 2の写真では、シャッター速度を1/4秒に設定して撮っています。絞りは、撮影に使ったデジタルカメラでは、最も絞られた状態になっています。被写界深度はずっと深くなり、缶の文字が読み取れます。シャッター速度が遅いので、手ブレしないよう三脚を使いましたが、シャッター速度の遅さが、花瓶の植物が風で揺れているところにはっきり出ています。

絞り・シャッター速度・被写界深度の関係
絞り開く ←→ 絞る
シャッター速度 速い←→ 遅い
被写界深度 浅い←→ 深い
光の量が一定の場合、絞りを開くとシャッタースピードは速くなり、絞りを絞るとシャッター速度は遅くなります。それに伴い、被写界深度(ピントの合う範囲)も変化します

 シャッター速度と絞りは、多くの場合、カメラの「絞り優先モード」や「シャッター速度優先モード」の設定で行ないます(これらのモードを備えず、オートでしか撮れない機種もあります)。「絞り優先モード」は、ユーザーが絞りを指定するとカメラが最適なシャッター速度を決めてくれるモードです。「シャッター速度優先モード」は、シャッター速度をユーザーが指定してカメラが最適な絞りを決めてくれるモードです。
 場合によって、どっちのモードの方が便利、といったことはありますが、どちらかのモードがついていれば同等なことはできます。
 なお、今回のサンプルは、「シャッター優先モード」で撮っています。

 シャッター速度と絞りの関係はカメラの基本中の基本。少し面倒くさそうだけど、覚えておけば絶対に役に立ちます。
 例えば、動きのあるものをはっきり撮るときは速いシャッタースピードを選びます。逆に、図2のように動いているもののブレをわざと出したいときには、シャッタースピードを遅くすればよいのです。また、絞りを調節すると、背景のぼけも変化させることができます。

 これらの相互関係を念頭に置いて、絞りとシャッタースピードを上手に使えば、写真の幅もうーんと広がること請け合いです。