オークション用に商品をきれいに撮影したい、ホームページにお気に入りグッズを紹介したい、そんなときに役立つ、デジタルカメラユーザー向けの小物の撮影キットを紹介・レポートします。

 小物の撮影キットは、数年前からチラホラでていましたが、最近は価格もうんと手ごろになり、1万円前後でも見かけるようになりました。

 今回、取り上げるのは、1万2000円で販売されているPhotoCube Proという、ナイロン製のボックスです。ボックスの側面と天井とが、プロ用ストロボのディフューザー(光を柔らかにするための布や紙など)のようなナイロン素材でできた折り畳み式ボックスです。

 まずは、撮影キットを使ったときと使わないときの撮影例を見てみましょう。被写体は、つや消しのステンレス製台座に試験管のような器がささった花びんです。

※画像をクリックすると拡大画像を表示します。


撮影キットを使わずに撮った画像。蛍光灯の部屋で白い紙を敷きました

撮影キットを使ったときの画像。影や写りこみが出ていないのがわかります

●柔らかい光がまんべんなく届く

 左の画像は、普通の蛍光灯の照明がある台所に、白い紙を敷き、手ブレするので三脚を使って撮りました。蛍光灯の光やあいまいな影がまだらに写りこんでいますが、白いバック紙と、三脚のおかげでそこそこにキレイに撮れています。手持ちでフラッシュを使って撮影するとどうなるかは論外なので、今回は載せませんね。

 撮影キットを使って撮ったのが右の画像です。キット内は、柔らかい光がまんべんなく行き渡るので、影や写りこみが出ません。また、スタンドの土台の部分も暗くなっていません。

 この撮影ボックスは、全面がディフューザーで覆われたと同然なので、好きな位置から強めの光を当てて柔らかな陰影を付ける、といったこともできそうです。ただし、熱に弱い素材なので白熱灯を光源に使うのは無理です。

 PhotoCube Proを広げたサイズは、小物撮影用のボックスとしては大きめです。幅と奥行きがそれぞれ90cm、高さが70cmあります。下に紹介する撮影風景で、卓上蛍光灯を載せている2人用のテーブルよりも大きなさサイズです。そうはいっても、折り畳むと直径35cm、厚さ9cm、重さ1.2kg というコンパクトさなので、普段邪魔になることはありません。

撮影ボックスを使ったときの撮影風景です。紙の上にボックスを置いただけです。夜だったので、卓上蛍光灯も点けています。製品問い合わせ先はセットワークスジャパン(Tel.03-5548-5131) 撮影ボックスを折りたたんだところ。簡易テントと同じように、収納時に鋼製のフレームをエイヤッとねじるとあーら不思議。円形になってしまうので非常にコンパクトです

●前面を覆って撮れば映りこみもなし

 もうひとつの撮影例をみてみましょう。被写体は、プロのカメラマンにも嫌われる鏡面仕上げのポットです。左の画像は、明るい昼間に、お気に入りのファブリックにのせて愛用のポットを手持ちでフルオートで撮りました。

 光りの周り具合のいい白い壁の部屋で撮っているので、撮影条件としては悪くないのですが…。布の模様や部屋の様子、撮影している人まで映りこんでしまいました。

 右の画像はボックスを利用したところです。予想を上回る汚れが目だって恐縮です。しかし、とにかく映りこみがなくなったことは納得いただけると思います。


模様のついたカバーにのせて撮ったところ。布の模様や写している人まで映りこんでいます

撮影ボックスを利用して撮ったもの。写りこみがなくなると、こんなに汚れていてオハズカシイ

 この撮影ボックスは、カメラを向けている正面も同素材のナイロンで覆うことができます。さきほどのポットは、前面も覆って撮りました。前面部分は、マジックテープが付いているので装着は簡単。前面用の覆いは2種類付属していましたが、縦にスリットが入ったタイプを使いました。スリットからデジタルカメラのレンズを差し込んで撮っている様子が次の画像です。

前面もディフューザーで覆い、スリットからレンズをボックスに差し込んで撮っています

●富士写から出たコンパクトな撮影キット

 PhotoCube Pro は便利そうだけど大きすぎて使いづらいというときは、こんな製品もあります。

富士写真フイルムの商品撮影キット。手前が「FinePix デジタルフォトスタンド」(1万8500円)、奥が「同デジタル撮影ボックス」(1万2500円)。

 軽量なデジタルカメラ用のフォトスタンドと、机上などの限られたスペースでも設置できるボックスです。机の上がごちゃごちゃしていても、荷物を両手でかきわけて撮影ボックスを置いてしまえば、背景スッキリ、光りも回った写真がラクに撮れてしまうのです。

 こんなキットを使わなくても、紙1枚を敷いて三脚をたてて撮れば十分だ、という方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際はそれだけの手間さえ面倒になるものなのです。いつのまにか手持ちで撮ったりして、写っていた画像がひどくてもコレで分かってよね、という甘えもおきがちです。

 でも、画像を見るほうはそんなに優しくありません。オークションなどで金が関係すると、1枚の写真から商品の正体を見極めようとする人の目はシビアです。甘えた写真にならないためにも、商品を写すときは絶対にコレを使うという自分へのルールができるところからも、こういった撮影キットを使うことが望ましいといえるでしょう。