ADSLや光ファイバーを使ったブロードバンド接続では、1台だけでなく複数台のPCから手軽にインターネット接続できる。もちろんパソコンのインターネット接続共有機能を使ってもよいが、ブロードバンドルーターを使えば、セキュリティを高めるうえでもメリットがある。

 選び方を解説する前に、どのような環境のユーザーが導入すべきかを説明しておこう。一言でいえば、FTTHやADSLサービスなどに加入しているが、ルーター機能のないブリッジタイプのモデムなどを利用しているユーザーが対象だ。

 ADSLモデムの中には、LAN端子は一つしかないが、ルーター機能を持っているものもある。この場合、LAN端子にハブや無線アクセスポイントをつなぐだけで複数台のPCを接続できるため、わざわざブロードバンドルーターを導入する必要はない。

●ブロードバンドルーターでセキュリティが高まる

 ブロードバンドルーターでセキュリティを高められるのは、IPマスカレード/NATと呼ばれるIPアドレスの変換機能、パケットフィルタリングなどパケットをチェックする機能があるからだ。

ブロードバンドルーターは、ネット接続を共有できるだけでなく、セキュリティも向上する

 前者では、WAN側で使うIPアドレスとLAN側で使うIPアドレスを、ルーター内部にあるルーティングテーブルを用いて変換している。これにより、インターネット側からパソコンのあるIPアドレスを隠すことができる。また、後者では、パケット内に含まれるIPアドレスやポート番号を検出して、ユーザー側で許可したアプリケーションのパケット以外を遮断できる。

 以下に、ルーターを選ぶ際の基準をまとめてみた。インターネット接続に利用している自分の回線や目的から最適な機器を選んでほしい。

○有線タイプか無線タイプか
 ブロードバンドルーターには、有線接続専用と、無線/有線の両対応のものがある。有線接続専用の製品なら、数千円から購入できる。有線LANだけでよい場合や、既に無線LANアクセスポイントを持っている場合は、有線専用ルーターでよいだろう。

 無線/有線両対応の製品は、対応する無線LAN規格によって価格が大きく異なる。最大通信速度が11MbpsのIEEE 802.11b対応の製品なら、親機と子機がセットになっていても1万円程度で購入できる。

 一方、より高速な11g(最大通信速度54Mbps)や11a/b/g(11aは最大通信速度54Mbps)のトリプル対応の製品では、2万円前後となる。インターネット接続回線の速度と、無線部分の速度がどの程度必要かで選んでいこう。

○スループットの速さ
 スループットとは、ルーターの処理能力を表す値だ。この値が高ければ高いほど、速くデータを受け渡せる。最大通信速度100MbpsのFTTHを使っていても、スループットが低いルーターを使えば、その速さを十分に使いこなせない。FTTHで有線LANルーターを利用する場合、スループットが80Mbps以上の製品を選べば困ることはないだろう。

 一方、無線LANルーターを使う際、PCを無線LANだけで接続するのであれば、無線LAN規格以上の速度は出ない。この場合、有線部分のスループットは有線専用ルーターほど必要ない。

 ADSLの場合は、現在提供されているサービスは45Mbpsが最高であり、FTTHよりは速度の要求レベルは低い。有線LANルーターでは自分の利用している回線の速度よりも高いスループットのものを選んでいけばほぼ大丈夫だ。

 無線LANルーターの場合は、FTTHと同様に有線接続もするのか、無線接続だけなのかで変わってくる。回線の速度よりもスループットが高いほうが望ましいが、無線だけで接続する場合も、無線LAN規格の速度だけは上回るように選ぼう。

○設定のしやすさ
 設定画面の使いやすさも重要なポイントだ。一般的にはWebインタフェースの設定画面が用意されていることが多い。ただし、多数の項目を一つひとつ設定する必要があり、初心者には難しい。ウイザード形式で必要な項目を順に従って入力すれば設定できる製品もあるので、初心者はそちらを選ぼう。

○セキュリティ機能
 IPマスカレード/NAT、パケットフィルタリング、 SPI(通信状況に応じてダイナミックにポートを遮断する)機能はたいていのルーターに付いており、基本的なセキュリティは確保されている。無線LANルーターでは、WEPによる暗号化やさらに新しいWPAへの対応、ESS-IDを隠してアクセスポイントを見えなくするステルス機能などをチェックしておこう(詳細は「あなたに合った製品がズバリわかる!冬の最新無線LANベストバイ」を参照)。

○付加機能
 代表的なのは、UPnPの対応だ。UPnPとは「ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ」の略。MSN Messengerなどを使いたい場合は、対応しているものを選ぶ必要がある。

 また、同時に複数の接続先に接続できるPPPoEマルチセッションに対応していれば、通常使用しているプロバイダー以外にフレッツ・スクウェアなどにもアクセスできる。