よくパソコンのCMなどで見かけるビデオチャット。ディスプレイには遠く離れたところにいる人の顔が映り、ヘッドセットをつけて相手と会話する。「ホントにそんなことができるの?」と、素朴な疑問が湧いて出た。だったらやってみよう!

●まずは機材の準備から

 必要な機材は、パソコン以外にはWebカメラとヘッドセット(イヤホンとマイクのセット)だけだ。今回チョイスしたクリエイティブメディアの「WebCam NX Pro」(実売価格4980円)には、ハンズフリーのヘッドセットも付属するので、これひとつで「見る・聞く・話す」の環境をバッチリ作れる。

 カメラ本体は、高さが約15センチほどで、ディスプレイの上にちょこんと載せて使うこともできる。設定は非常に簡単だ。まず付属のCDから、ドライバーソフトをインストール。続いてカメラのケーブルをUSBポートに挿す。最後にヘッドセットのケーブル2本を、マイク端子とスピーカー端子(またはヘッドホン端子)に、挿し込むだけである。ものの10分もかからないうちに、セッティングは完了した。

ドライバーソフトをインストールしたのち、WebカメラをUSBポートに接続し、ヘッドセットのケーブルをつなげば準備完了

 さて、カメラの準備が出来たら、続いてソフトの用意だ。今回使ったのは「MSN Messenger」の最新バージョン6.1だ。Windows XPには最初から「Windows Messenger」というソフトが付属するが、MSNメッセンジャーはXP以外のOSでも使えるソフト。基本的な機能は両者で変わらない。

 MSN Messengerでは、バージョン6.0からWebカメラ機能が標準で搭載され、動画+テキスト、または動画+音声によるメッセージ交換が可能になっている。ただし、ネットワークを通じてパソコンの操作を教えてもらえる「リモート アシスタンス」や、複数のユーザーで一緒に絵を描くことができる「ホワイトボード」はWindows Messengerならではの機能で、MSN Messengerにはない。

 最新バージョンはMSNのサイトから無料でダウンロードできる。マイクロソフトの「.NET Passport」のアカウントを持っていなければ、同時に作っておこう。これで準備は完了。ここまでにかかった時間はわずか10分少々。かなりスムーズに進んでいる。

●まさにリアルタイムの会話が楽しめる

 ではいよいよビデオチャットの開始だ。カメラを接続してからMSN Messengerを起動すると、初回のみWebカメラの設定画面が現れる。サウンドカードは何を使うかなど聞かれるが、すべてデフォルトのまま[次へ][次へ]進めば、あっさり設定は完了するはずだ。

 動画と音声で話ができるのは1対1。動画を表示するには、オンラインの状態になっているメンバーを指定して、[Webcam]ボタンをクリックする。すると相手に「○○からWebcamの表示に招待されました」という「招待状」が届くので、「承認」をクリックしてもらうと、カメラが起動して自分の映像が画面右下に映り、相手に見えるようになる。相手の画像も見たければ、相手からも招待してもらって承認すればよい。

 接続テストは、埼玉県−東京都の個人宅同士で行った。互いのブロードバンド環境はCATV、光ファイバーである。使用したマシンのOSはWindows XPとWindows 2000だ。お互いにルーターの設定も、特にいじらず、ほぼデフォルトの状態で接続できた。あっさりとお互いの姿が映し出されたので、あまりの簡単さに拍子抜けするやら照れくさいやら。これでキーボードからテキストを入力すれば、お互いの顔を見ながらチャットができる。簡単な打ち合わせなら、これでも充分通用するだろう(画像がいるかは別にして)。

 音声をやり取りするにはWebcam同様「音声チャット」を、お互いに「招待−承認」すればよい。ヘッドセットから聞こえる音は意外と鮮明で、携帯電話と同等、もしくはそれ以上という感じだ。タイムラグもほどんとない。これなら十分会話が成立する。

MSN Messengerでビデオチャットをしている様子。Webcamと音声チャットを試した

●会社のパソコンとのチャットでは注意

 ただし、すべての場合でうまくいくというわけではない。ビデオチャットをするにはUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)に対応したルーターが必要。また、ファイアウオールなどはUPnPに対応していないケースがあり、その場合は音声チャットができないので注意しよう。

 実際、筆者宅と編集部の接続では、「姿は見えども声が聞こえず」状態。なんど試してみても、まったく声が聞こえないのだ。動画だけは問題なく見えるので、「相手の顔を見ながらチャットをする」という乙な体験はできたのだが…。

 UPnPに対応したルーターでは、ローカルアドレスがどんなグローバルアドレスに変換されたかを認識し、その情報をソフト側に逐一教えてくれる。これにより、音声チャットで使用するポートが変わっても通信が維持される。しかし、UPnPに対応していないと、このアドレス変換がうまくいかないのだ。

 今回の実験では、MSN Messengerの動画機能の高さと、環境によってはクリアな音声チャットも可能な実力を確認することができた。すべての環境でスムーズにいくとは限らないだろうが、ビデオチャットもこうして実用に耐えられるレベルであることは、非常に喜ばしいことだ。興味のある方は、ぜひ試してみてほしい。なかなか楽しい経験ができるはずだ。