電車や高速道路に上りと下りがあるように、インターネットの世界にもまた、上りと下りがある。道路や電車だと、東京に向かうのが上り、その反対が下りとなるが、インターネットの世界では、自分のパソコンからインターネット方向が上り、その逆が下りとなる。

 自分のパソコンからインターネット上にあるサイトにデータを送ることを「アップロード」、どこかのサイトから、自分のパソコンにデータを取り込むことを「ダウンロード」というが、まさに「上り」と「下り」を表している。

通信の世界では、上りと下りのスピードは同じであることが多いが、ADSLでは下りが圧倒的に速い

 本来、通信の世界では、上りと下りのスピードは同じものだと相場が決まっていた。ISDNは両方とも64kbps出るし、社内ネットワークなどでよく使われているEthernetも、上りと下りは同じ。10Base-Tなら10Mbps、100Base-TXなら100Mbpsでる。そして光ファイバー(FTTH)も上りと下りは同じスピードが出る。

 違うのはADSLだ。「非対称デジタル加入者回線(Asymmetric Digital Subscriber Line)」という名前の通り、上りと下りのスピードが「非対称」なわけだ。たとえばADSLの12Mbpsコースでは、下りが12Mbpsなのに対し、上りは1Mbpsであり、1/10以下になっている。

 もう少し詳しくいうと、8MbpsのADSLの場合、1本の回線の中で上りは25.875kHz~138kHzを、下りは138kHz~1104kHzの周波数を使っている。上りに比べて、下りに使われる帯域が圧倒的に広く、その結果下りの方がスピードが速い(なぜ速いかについては、「今さらだけど、「ブロードバンド」の定義って何?」をどうぞ)。

 なぜ上りより下りのスピードを優先したのか? それは「私たち一般ユーザーは、圧倒的に下りの方を利用するから」だ。たとえば、メールの受信、オンラインソフトのダウンロード、ストリーミング、はたまた画像や音声データをふんだんに使ったWebサイトを見るときに使うのは、すべて下りの回線だ。

 一方、上りを使うのは、Webサイトにデータをアップするときや、メールを送信するくらいだ。従って下りを速くした方が、データがサクーッと扱えて、ユーザーの味わえる快適度が、ぐぐっと向上するわけだ。

上りと下りのスピードを計測できる速度測定サイトはこちら。

○BRNスピードテスト http://www.musen-lan.com/speed/

○speed.rbbtoday.com(RBB Today) http://speed.rbbtoday.com/