2014年4月2日、LINEは「登録ユーザー数が世界4億人を突破した」と発表した。1億人を突破したのが2013年1月18日。1年あまりで登録ユーザー数は4倍になったことになる。ゲームに関しても、ディズニーのキャラクターを起用した「LINEディズニーツムツム」が62日間で国内1000万ダウンロードを達成。ゲームのプラットフォームとしてもその存在感を急速に増しつつある。LINE GAMEはどのように進化していくのか。上級執行役員CSMOの舛田淳氏に話を聞いた。

今年の目標は「LINEの価値観を壊す」

LINE GAMEの現状と未来を語る上級執行役員CSMOの舛田淳氏
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──まず2014年2月26日に発表した「BEYOND LINE」について教えていただけますか。

舛田淳氏(以下、舛田氏): 先日の発表会では「LINE Creators Market」「LINE ビジネスコネクト」「LINE電話」という3つのプロダクトを発表しました。

 「LINE Creators Market」はスタンプのオープン化です。プロアマ、個人企業を問わず、LINEユーザーであれば自分で制作したスタンプを「LINE ウェブストア」で販売できます。

 「LINE ビジネスコネクト」は法人向けサービスです。公式アカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供し、各企業がカスタマイズして活用できるようにします。従来の企業公式アカウントのような、LINEユーザーへの一方通行のメッセージ配信だけでなく、特定のユーザーに対してより最適化されたメッセージを送り分けることができるようになります。

 「LINE電話」はLINEのアプリ上から、国内・国外問わず、一般の固定・携帯電話番号に低料金で電話をかけることができるサービスです。今までLINEユーザー同士は無料で話すことができましたが、今後はLINEの外にいる人ともコミュニケーションがとれるようになります。

 LINEはメッセンジャーサービスとして始まりましたが、目指しているのはプラットフォームです。その路線を強化するために、掲げたのが「BEYOND LINE」です。今までの小さな枠を超える、この数年間でLINEが作り上げた価値観や成功体験を超えるのが目標。必要なら、これまでの価値観を壊すこともあるでしょう。壊さなければ先に進めない、壊して進まなければ、世界クラスのインフラになれませんから。

──これまでの価値観を壊すとは?

舛田氏: たとえばLINEスタンプは、これまで自社のIP(Intellectual Property)と、外部の有名なキャラクター、例えば「ONE PIECE」といったキャラクターのIPを、私たちがスタンプにして世界中に流通してきました。これは「限定することで、IPの価値を十二分に発揮して、利用度か売り上げを上げていく」というモデルです。今も、毎月どんどん売り上げは成長しています。このまま維持していっても売り上げは上がっていくんです。でも、我々はそれを否定して、「もっと多くのスタンプが世界に増えたほうが素晴らしい世界になる」と考えました。

 極論すれば、世界中のユーザーの皆様が欲しいスタンプは、私たちだけでは作りきれないのです。有名なIPをお持ちのコンテンツホルダーの皆様と連携したとしても、やはり細かなところまではできません。だから「ユーザーの皆様、力を貸してください」と考えたわけです。

 LINE電話もそうです。「無料で通話をするために、相手にもLINEユーザーになってもらってください」というビジネスモデルでLINEは成長してきました。ですが、LINE電話はLINEを相手が入れていなくてもかけられてしまいます。ここでも今までLINEがとっていた成長路線とは違う形の考え方を取りました。

 ただ、世界を見渡したときには、スマートフォンをお持ちでない方や、フルスペックのサービスを使えない方はたくさんいらっしゃる。そういった方々、LINEの外へのコミュニケーションも我々は担うという判断をしたわけです。

 こういった従来のLINEの価値観を壊す、新しい価値観、戦略のトップバッターとして、3つのサービスを発表しました。

──トップバッターということは、ほかの発表もあるのですか。

舛田氏: これからも、従来の価値観を否定し続けるものをたくさん出していかなければ、我々のようなプラットフォームは成長が止まってしまうと思います。成長を止めてしまえば、すぐに陳腐化してしまう。これはインターネットの歴史が何度も証明してきたことです。だからこそ、価値観を壊しながら進んでいくことが、我々が目指している「世界中の人たちに使っていただくインフラ」につながると信じて取り組んでいます。

──「BEYOND LINE」にはゲームに関するものはありませんでした。

舛田氏: もちろん「LINEを超えていかなければいけない」という考えは、LINE GAMEも背負っているミッションです。

 スタンプはオープン化し、公式アカウントは企業向けに各種機能をAPIで提供しています。まだ計画はしていませんが、LINE GAMEの中でも、そういった取り組みが出てくる可能性はあります。