2014年1月からスタートしたテレビアニメ「妖怪ウォッチ」が、子どもたちの間で大ヒット中のレベルファイブ。アニメ人気に後押しされ、2013年7月に先行して発売した、原作のニンテンドー3DSソフト「妖怪ウォッチ」も4月中旬までの出荷が累計90万本を超え、さらにバンダイが発売する関連玩具もものすごい勢いで売れているという。マンガ、アニメ、ゲーム、玩具というメディアミックスを有効活用した久々の大型ヒットとなった。一方、大人をターゲットにスマートフォン向けタイトルにも意欲的に取り組むレベルファイブ。ここ数年を振り返って、既存のヒットシリーズに知らず知らずのうちに頼っていたのではないかと自省する日野晃博社長に、2014年の戦略について聞いた。

レベルファイブ
代表取締役社長/CEO 日野晃博氏

「妖怪ウォッチ」のインパクトは、今までと比較にならない

――いきなりなのですが、「妖怪ウォッチ」について、バンダイナムコゲームスの鵜之澤伸副社長 から、バンダイナムコグループを代表して「ありがとう!」と言ってきて、とのことづけでしたのでお伝えします。

日野晃博氏(以下、日野氏): えっ、どうしてですか?

――本特集のインタビューの際に、鵜之澤さんから、日野さんのゲーム原作でバンダイグループの玩具などが大ヒットしていることに感謝している話がありました。同時に、本来ならばバンダイナムコゲームスで「妖怪ウォッチ」のようなタイトルを生み出さなきゃいけないのに、と悔しがっていました。

日野氏: ああ、そうなんですか(笑)。はい。ありがとうございます!

――今の話のように「妖怪ウォッチ」は大ヒットですね。

日野氏: 今回は本当に僕らも驚いているところがありますね。「妖怪ウォッチ」のインパクトって、今までの「イナズマイレブン」とか「ダンボール戦機」と比較にならない感じがします。

――確かに子どもの反応がすごいですね。ゲームに加えて、玩具への広がりもあるし、もろど真ん中の直球ストライクです。

日野氏: そうですね。ただ、僕のやっているビジネスって、簡単に言うとずっと“復興”なんです。子どものころ自分が好きだったものを現代の子どもたち向けに翻訳するというか、現代で受けるようにアレンジしてコンテンツ化するという戦略で、それがヒットにつながっていく。ですので、今回の「妖怪ウォッチ」も、初めて僕らが子どもの時に「ドラえもん」を見た感動を復興するという、そういうテーマで開発しています。

――なるほど。少年とドラえもんの関係など、シチュエーションは似ていますね。

日野氏: そうそう。だからキャラクター設定は「ドラえもん」の構成をなぞっているように見えますが、すべてアレンジされています。「クマ」は「ジャイアン」のようにいじめません。また、「スネ夫」みたいな立ち位置の「カンチ」はいますが、彼はスネ夫のように意地悪をして嫌みを言うわけではありません。現代の子どもたちのグループの中に、おそらくいるはずの“アキバ系”という位置づけです。メカとか電気製品にすごく詳しいタイプで、いろいろなアイテムを持っていて、うらやましいと思われる対象なのです。

――小学生の仲良しグループの構成は変えずに、現代の子どもたちに変換しているということですか。

日野氏: そうなんです。「ドラえもん」のような、愛されるコンテンツのいい部分というのは研究しています。だから子どもたちの悩みというのを相当研究しました……というか集めましたね。

テレビアニメ「妖怪ウォッチ」
(C)L5/YWP・TX
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