ビジネスの伸びが停滞した2013年のグリー。13年後半にはスマートフォン/タブレット向けのネイティブゲーム(単体で稼働するゲームソフト)部門と、ウェブゲーム(ブラウザを使ったゲーム)部門を2つに分け、新規タイトル開発をフル稼働させ始めた。同社の強みとするユーザー間コミュニティを重視したゲーム体験を軸に、事業の成長戦略の再構築を図る。同社の成長エンジンとなるネイティブゲームを管轄するNative Game事業本部長の荒木英士氏、ウェブゲームを管轄するWeb Game事業本部長の小竹讃久氏に、現状の課題と2014年の展望について語ってもらった。

取締役 執行役員
Native Game事業本部長
荒木英士氏
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取締役 執行役員
Web Game事業本部長
小竹讃久氏
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13年は新規プロダクトの準備の年

――まずは2013年のスマートフォン向けのネイティブゲーム市場全体についての感想を教えてください。

荒木英士氏(以下、荒木氏): ネイティブゲーム市場全体が大きく変わってきていて、まず勝ちパターンがなくなりました。例えば、売上ランキングの上位を見ると、2013年前半はカードバトルゲーム系が主流で、それはウェブゲームにおけるトレンドと同調していました。ところが年の半ばになるとカードバトル系は減って、ユニークな切り口を持った新しいゲームが増えてきたのです。ユーザー側がいろいろなタイプのゲームを楽しみたいと考えるようになってきたことと、それに合わせてゲームクリエイター側も自分の持ち味を出したゲームにチャレンジし始めた年だったと思います。

――新規のネイティブゲームでヒットしているものに特徴があると考えますか?

荒木氏: ソーシャル要素が最初の出発点というわけではなく、これまで存在していたアクションゲームやパズルゲームやクイズゲームなどをベースに、ソーシャル要素やそこで培ったイベントなどを組み込んだタイプのゲームが人気だったと思います。家庭用ゲーム、PCゲーム、Flashなどのカジュアルゲーム、モバイル用ウェブゲームといったジャンルの潮流が流れ込んできたのが、今のスマートフォンのネイティブゲーム市場です。だから、ゲームの種類に多様性が生まれているわけです。

 ネイティブゲームに参入したメーカーの本業がさまざまなので、各社ともに強みも弱みもあると思います。そうしたライバルの中で、グリーの強みをどのように生かしながら、マーケットで勝ち抜いていくかを考えています。

――では、グリーとしては2013年のネイティブゲーム戦略はいかがでしたか?

荒木氏: 日本と海外で違います。まず日本では、13年の前半はグリーの得意分野であるウェブゲームをどのようにネイティブゲームに落とし込んでいくかという取り組みをしてきました。カードバトル型のネイティブ版であったり、育成型のウェブゲーム「ハコニワ」をネイティブに適するように新しく作り変えたりしてきました。これが、自分たちの強み、得意分野という位置づけです。

 そして2013年後半からは、新規タイトルの開発をいくつかスタートしました。今までグリーがやってこなかったゲームジャンル、いくつかのジャンルを組み合わせたゲーム制作に挑戦しています。開発中の新タイトルは、全部で6本です。まだ正式に発表していませんが、2014年春ぐらいから出していこうと準備を進めています。

――好調だったネイティブゲームタイトルを教えてください。

荒木氏: 自社のネイティブゲームでは、ポケラボの「栄光のガーディアンバトル」や「運命のクランバトル」が好調でした。中身はカードバトルですが、リアルタイムバトルや20対20のチーム戦などを導入して、とても活況でした。

 また、「ハコニワ ふしぎな手紙とどうぶつ島」は爆発的に盛り上がるタイプのゲームではないですが、女性ファンからの支持が多く、ジワジワと伸びてきています。女性向けゲームアプリはマネタイズが難しいという印象があって、あまり作りたがらない傾向があるようです。しかしグリーではウェブゲームで経験もありますし、多くの女性ユーザーに長く楽しんでもらっています。

「開発中の新タイトルは、全部で6本。2014年春からリリースします」と話す取締役執行役員Native Game事業本部長の荒木英士氏
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「栄光のガーディアンバトル」
(C)Pokelabo, Inc.
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「運命のクランバトル」
(C)Pokelabo, Inc. /(C) SEGA. All Rights Reserved.
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「ハコニワ ふしぎな手紙とどうぶつ島」
(C)GREE, Inc.
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