2006年に携帯電話専用ゲームサイト「モバゲータウン」(現モバゲー)をスタートさせて以来、モバイルゲームやソーシャルゲームの先頭を走ってきたディー・エヌ・エー(DeNA)にとって、市場が大きくスマホ向けアプリにシフトした2013年はどんな1年だったか。同社取締役兼執行役員 マルチリージョンゲーム事業本部長の小林賢治氏は「変化が想定以上に速く訪れた1年だった」と語る。めまぐるしく変わるモバイルの世界で生き抜いてきた同社にとってさえ「想定以上だった」という変化はどのようなものだったのか、そして「だからこそ急速にチャンスも広がっている」状況にどう挑むのか。DeNAの戦略について聞いた。

想定よりも速かった変化

──まず最初に、ディー・エヌ・エーにとって2013年はどのような1年だったのでしょうか?

小林賢治氏(以下、小林氏): 非常にチャレンジングな1年でした。最もチャレンジングだったのは、急速に変化していかなくてはならないということです。

 ブラウザゲームは、まだ非常に大きなビジネスのサイズを持っていて収益力も高い。この「力」がある中で、「アプリマーケット」という急成長していく市場でどう戦っていくかが問われた1年でした。

 幸い、海外では先行してうまくいっていたのですが、「日本ではどうするか」という問いかけが、我々が想定していたよりも早く突きつけられた。これには「パズル&ドラゴンズ」やコロプラさんの成功が変化をより速くしていった面はあると思います。

──モバイルインターネットの最前線で成功してきたディー・エヌ・エーから「変化が想定よりも速かった」という言葉を聞くのは意外でした。

小林氏: 我が社に限らず、おそらくこの変化の速さを予想できた人は1人もいなかったと思います。それくらい速かったのは事実です。改めて、自分たちがそういう業界にいることを思い知らされた1年でした。

 ただし、これは「急速にチャンスが広がっている」という見方もできます。

 最近、成功したゲームを見れば、それは分かります。今までは「スマホのゲームって、こういうものだよね」というみんなが持っている定型的なイメージがあったと思うのです。それが現在では、さまざまな種類のゲームが成功しています。「パズドラ」もあれば、「キャンディークラッシュ」もある。「クラッシュ・オブ・クラン」もある。みんな違うところから来たゲームで、開発思想も異なります。

──だからこそ「チャンスが広がっている」と見ているわけですね。

小林氏: ゲーム以外の業界に目を移すと、市場自体が縮小しているマーケットも少なくありません。そういう業界では、何か新しいことにチャレンジしようと思っても打つ手がないことも多いのです。

 私たちの業界は、そうではありません。マーケットが広がる中で、どう振る舞うかが問われています。こうやって急速にチャンスが広がっているのは、ゲーム業界の非常に良い点だと思いますね。

ディー・エヌ・エー(DeNA)の取締役兼執行役員 マルチリージョンゲーム事業本部長 小林賢治氏
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小林賢治氏の肩書が間違っていました。正しくは「取締役兼執行役員 マルチリージョンゲーム事業本部長」でした。お詫びして訂正いたします。