プレイステーション4(PS4)のローンチは“様子見”だったバンダイナムコゲームスも、いよいよ本腰を入れて新プラットフォームへの開発を加速させている。一方で、スマートフォン市場向けには、ノウハウを共有したことでディー・エヌ・エー(DeNA)との合弁会社を解消させつつ、ウェブブラウザー型に加え、ネイティブアプリの開発にも力を注いでいる。にらむ先は、プラットフォーム依存型ビジネスからの脱却だ。
 ソーシャルゲームなどで過去最高益を記録した2012年度から1年。ソーシャルゲームの動向や、新プラットフォームへの取り組みなどについて、バンダイナムコゲームス副社長で、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長の鵜之澤伸氏に聞いた。

――まずは、2013年度のゲーム業界を振り返ってどのように見ていますか。CESA会長の立場として聞かせてください。

バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長 鵜之澤伸氏
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鵜之澤伸氏(以下、鵜之澤氏): 何より変化のスピードがますます速くなっているのを感じますね。そして、スマートフォンの比率が高まるにつれ、モバイル分野の流れも変わり、市場の厚みが増しています。具体的には「Mobage」や「GREE」といった、いわゆるソーシャルゲームのジャンルに、「パズル&ドラゴンズ」に代表されるネイティブアプリ(ゲームアプリ単体をインストールし、起動させてプレーするもの)のジャンルが加わり市場が拡大したわけです。

 CESA内でもネットワークゲーム委員会を2013年4月に立ち上げ、ガンホー・オンライン・エンターテイメントさん、グリーさん、DeNAさんにも入っていただいています。従来のいわゆる家庭用ゲームメーカーとは異なるスマートフォン系の企業と、ゲームビジネスにおける課題の共有ができることはメリットが大きいですね。

 ソーシャルゲームの業界団体にはJASGA(ソーシャルゲーム協会)がありますが、そちらは主にプラットフォーマーが中心の団体です。一方、CESAのネットワークゲーム委員会では、アプリメーカー側の立場で活動していますので、互いに補完する形になっています。

 ネイティブアプリのことを「じか置き」とも呼びますが、これが拡大するということは、「Mobage」や「GREE」といったプラットフォーム上だけでの勝負ではなくなるということです。アプリを販売する「App Store」や「Google Play」はグローバルでの運営基準ですから、これらのプラットフォーマーが日本のゲームメーカー向けに特別な何かをしてくれることは基本的にはありません。

 このようにプラットフォーム自体の概念もどんどん変わり、ゲームの広がり具合も、どんどん変わっていきます。そうした中で、CESAや、CESAのネットワークゲーム委員会が果たす役割は大きいと思います。

 とりわけ、家庭用ゲームメーカーは、ソーシャルゲームというよりは、どちらかというと表現面で既存の開発ノウハウが生かせるネイティブアプリの方がやりやすいのではないかと思います。

 ですから、ネイティブアプリに注目が集まる状況になり、既存の家庭用ゲームメーカーも対応がしやすい状況なのではないでしょうか。

――現在は主にパッケージゲームを対象としているレーティング制度(第三者機関による審査により対象年齢を表示する制度)についても、ソーシャルゲームやスマートフォンゲームに広げる動きがあると聞きます。

鵜之澤氏: それは考えなければならないと思いますね。これまで携帯電話やスマートフォンは、小さなお子様は持っていなかった。でも、それらを手にする年齢はどんどん下がっています。そうなると、年齢による基準づくりについて、しっかりと議論する必要があるわけです。現在、CESAとCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)で協議を進めています。

――審査には一定の期間が必要です。パッケージゲームより速いスピード感で制作しているスマートフォンゲームの審査はどういう形態になりますか。

鵜之澤氏: 確かに「審査に1週間待ってください」と言われても、スマートフォンゲームの世界では困ってしまうでしょうから、基本的には自主審査になると考えています。ガイドラインに従って、自分たちで審査をして、その結果を表示する。海外でも自主審査が導入されているようなので、やり方については情報交換をしながら検討を進めています。