中高生を中心とした若者の必須アイテムとなった『モンスターハンターポータブル 3rd』。発売からわずか1カ月で400万本を突破し、対応ゲーム機の「プレイステーションポータブル」普及の牽引役となっている。ただ、カプコンの成功はこれだけではない。国内他社に先駆けて、いち早くスマートフォン向けソーシャルゲームを大ヒットさせたほか、映画やパチスロ機などのライセンス事業でも着実な歩みを見せている。「既成概念にとらわれずに事業領域を拡大する」と語る同社の辻本春弘社長に、今後の戦略を聞いた。

(取材/中村 均)

ゲーム産業が発展するには既成概念にとらわれてはいけないと語るカプコンの辻本春弘社長

――発売から4カ月たった今でも、『モンスターハンターポータブル 3rd』(以下『MHP 3rd』)の販売が引き続き好調のようですが、年末年始商戦と昨年を振り返ってみて全体的にはどうでしたか。

辻本春弘氏(以下、辻本氏):昨年は前半戦で苦労しました。例えば『ロスト プラネット2』といった大型タイトルについては、他社タイトルとの競合を避けるために発売を延期しましたが、当初想定していたような販売実績を得ることができませんでした。

 一方、後半は大きく盛り返しています。まず、夏以降は『戦国BASARA3』『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』『大神伝 〜小さき太陽〜』と立て続けにヒットとなりました。また、12月には『MHP 3rd』を発売し、発売約1カ月で400万本を超える大ヒットとなりました。

 さらにゲームだけではなく、パチスロ事業では、セガサミーグループのロデオからの受託で、映像製作を含めて版権を供与したパチスロ機『新鬼武者』が大ヒットし、ロイヤルティー収入が増加しました。そのほかにも、ライセンスアウトして製作された映画『バイオハザードIV アフターライフ』(2010年9月公開)も前作に引続き大ヒットしています。

世界中で大ヒットしたミラ・ジョヴォヴィッチ主演の『バイオハザードIV アフターライフ』
(C)2010 Sony Pictures Entertainment(J) Inc. All Rights Reserved.(画像クリックで拡大)

 また、昨年8月から配信を開始した、当社のソーシャルゲーム第1弾となった『モンハン日記 モバイルアイルー村』も短期間で会員数100万人を突破するなど、好調な動きを見せました。

 加えて、北米のモバイルチームが開発したiPhoneやiPad向けソーシャルゲームの『Smurfs' Village』(『スマーフ・ヴィレッジ』)(2010年11月配信開始)と『Zombie Cafe』(『ゾンビカフェ』)(2011年1月配信)が非常に好調で、これらはダウンロード数の合計が1000万件を超える大ヒットとなっています。現状、スマートフォン向け無料ゲームのアイテム課金で実績を上げている日本のゲーム会社が少ない中での成功ですので、今年も引続き力を入れていく方針です。

スマートフォン向けソーシャルゲームで課金ビジネスが成功した『スマーフ・ヴィレッジ』
(C)Peyo - 2010 - Licensed through Lafig Belgium - www.smurf.com. All game code (C)2010 Capcom Interactive, Inc.(画像クリックで拡大)

――いろいろな成果が昨年からこの年始にかけて得られたんですね。

辻本氏:ええ。『MHP 3rd』は今のカプコンを象徴するタイトルとして、大ヒットしていますが、昨年におけるカプコンの活動はそれだけではありません。他のタイトルやゲーム以外のフィールドでも各種のコンテンツを、さまざまなアプローチでユーザーに訴求できたと思っています。