2011年3月期の第3四半期までの決算によると、売上高累計が669億円と前年同期から約19%落ち込んだものの、営業利益は倍増の28億円という順調な成績を残したセガ。2011年にはニンテンドー3DSなどの新プラットフォームに6タイトルを投入するほか、ワールドワイド向けの2つの新タイトルで全世界に打って出る計画だ。また、スマートフォンやソーシャルゲーム、オンラインゲームへの投資を強め、欧米だけでなく新興国への足がかりを強めるとしている。セガの鶴見尚也常務取締役に、2011年の戦略を聞いた。 ※取材は2月に実施しました

(取材:渡辺一正)

※取材は2月に実施しました

――2010年を振り返って、どんな年でしたか。

「体感ゲームと3Dというキーワードはできるだけ反映したい」と話す鶴見尚也常務取締役

鶴見尚也氏(以下、鶴見氏):2010年は大きなニュースとして、マイクロソフトの「Kinect」、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「PlayStation Move」という新しい周辺機器が出てきました。加えて、任天堂が「ニンテンドー3DS」(3DS)を発表しました。家庭用ゲームを作っている我々にとって、とても期待が高まる年だったと思います。

 セガは、Kinect用タイトル『ソニック フリーライダーズ』を出荷し、ワールドワイドで結構いい成績を出せました。Move用タイトルは2011年6月に『パワースマッシュ4(海外ではVirtua Tennis4)』を出荷する予定です。3DSでは、『スーパーモンキーボール3D』を11年3月に出しました。体感ゲームと3Dというキーワードはできるだけ反映したいと思っています。

――Kinectについてですが、どんな感触を持っていますか。

鶴見氏:マイクロソフトさんが、Kinectを全世界で1000万個出荷したという発表がありました。Xbox360ユーザーの相当数がKinectを使われているのかと思います。『ソニック フリーライダーズ』は全世界で約60万本程度出荷したので、まず成功かと思っています。

――なるほど。

鶴見氏:もう一つ大きいトピックとしては、ソーシャルゲームですね。新しいゲームのプラットフォーム、新しいビジネスモデルが出てきました。無料でゲームを始められるという点で敷居が非常に下がりました。おかげで、より幅広い人に触ってもらえる可能性が増えました。日本では、携帯電話をベースにしたネットワークをプラットフォームにしている2社、DeNAとグリーが代表例ですが、欧米ではインターネットをベースにしたFacebookが躍進しています。

 ソーシャルゲームが出てきたことは作り手側にとっても画期的で、コンテンツの参入障壁がとてつもなく低くなりました。例えば、大学生が一人でゲームを作って、売ることができるようになったのです。iPhoneが登場した時点ですでにできていたことでもありますが、ゲームのクオリティを完成品まで突き詰めなくても、とりあえず公開して、そこからユーザーと一緒に製品に仕上げていく、というアプローチはこれまであまりなかった手法です。

 ゲーム業界全体としては、ソーシャルゲームが出てくることで活性化することはウェルカムです。ただし、いろいろな影響が既存の家庭用ゲームビジネスに出てくることも想定できますから、我々としても指をくわえて見ているだけではなく、積極的に取り組んでいます。日本国内では『サカつくG』、『Kingdom Conquest』(キングダムコンクエスト)というタイトルをリリースし、現在のところ軌道に乗っています。特に『Kingdom』はiPhoneアプリのダウンロード数で数週間連続ナンバーワンになりました。

『ソニック フリーライダーズ』
対応機種:Xbox360(Kinect専用)
発売日:2010年11月20日
価格:6090円(税込)
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『Power Smash4』
対応機種:PlayStation3(Move、3D対応)/Xbox360(Kinect対応)
発売日:2011年6月30日
価格:7140円(税込)
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『スーパーモンキーボール3D』
対応機種:ニンテンドー3DS
発売日:2011年3月3日
価格:4410円(税込)
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『Kingdom Conquest』
対応機種:iPhone/iPod touch/iPad
発売日:欧米:2010年11月、日本:2011年1月20日
価格:基本無料(アイテム課金あり)
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『サカつくG』
対応機種:フィーチャーフォン版:i-mode/Yahoo!ケータイ/EZweb、スマートフォン版:iPhone/iPod touch・Android端末
発売日:フィーチャーフォン版:2010年6月29日、スマートフォン版:2011年1月18日
価格:基本無料(アイテム課金あり)
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