欧米で好調な『レイトン教授』に加えて『イナズマ』も参戦

――海外でのビジネスについて教えてください。昨年のインタビューでは海外では(任天堂パブリッシングの)『レイトン教授』シリーズの売り上げが大きかったという話がありました。2010年の状況は変わりましたか。

日野氏:いや、引き続きそこは大きかったです。昨年は『レイトン教授と最後の時間旅行』海外版が発売されていますが、欧米市場だけで約200万本出荷に届く勢いです。非常に大きいですよ。

海外で好調な『レイトン教授』シリーズ(左が欧州版、右が米国版)(画像クリックで拡大)

――それ以外のタイトルはいかがでしたか。

日野氏:『イナズマイレブン』を欧州で発売しました。まだ出たばかりなので、これから伸びていく可能性がありますね。発売に合わせてスペインやイタリアなどの国でテレビアニメも放映中です。

――なるほど。昨年から稼働し始めた北米オフィスはどのような状況ですか。

日野氏:今、社員は5人いまして、北米オフィスで企画されたタイトルを、現地で開発しています。僕も何度も行っていますが、いい雰囲気ですね。オフィスの陣容としては日本人を中心としていますが、現地スタッフともコラボレーションして開発するスタイルなので、北米マーケットに合ったいいものができるような気がしています。具体的なタイトルの発表は今年の「LEVEL5 VISION」(編注:同社が主催するタイトルなどの発表会)になるかと思います。

 ただ、北米の市場動向については、少し不透明な部分があるかなと見ているんです。いろいろなところから、向こうはパッケージのタイトルよりも、配信作品の比率が上がっていると聞きます。

――配信というのは家庭用ゲーム機向けの配信ですか。それともパソコンやスマートフォンなどに向けたものですか。

日野氏:両方ですね。iPhoneのようなスマートフォンと、家庭用ゲームコンソールの両方です。

――中国市場をはじめとするアジア市場はどう見ていますか。

日野氏:何かチャンスがあるマーケットのようなんですけど、参入があまりにも難しいのではないかなと。特に中国市場は大きい一方で、モノを売るための障壁や障害もいっぱいあって、結構大変そうだなという印象があります。

 僕はどちらかというと面白いことを生み出すために悩みたいので、問題点が多い市場を攻略するために積極的に頑張ろうとは正直思っていませんし、経営者として得意ではないだろうなと思っています。

 だから、今見えている市場である日本や北米、欧州などの市場で戦っていくということに集中した方が、結果を出せそうだと思っています。