「相棒」といえば、杉下右京と神戸尊のコンビだが、ドラマを支えるもうひとつのコンビが「右京とたまき」。離婚しているのに仲良しな謎のコンビが単発ドラマの頃から「相棒」の世界観を広げてきた。

 今回は、「花の里」の女将、宮部たまき役を演じる益戸育江さんに、「相棒」と「右京さん」について聞く。

「相棒」は最初から映画でした

――「相棒」は2000年6月に土曜ワイド劇場枠で単発ドラマとして放送され、2002年10月から連続ドラマとしてスタート。2010年10月にSeason9の放送を開始しました。益戸さんは、最初の土曜ワイド枠からずっと宮部たまき役を演じてこられたわけですが、この10年間はいかがでしたでしょうか。

益戸育江さん(以下、益戸):「2000年といえば、私はフリーダイビングとかオーストラリアの先住民アボリジニに出会って、自分の生き方、環境を変えることに意識が全面的に向いていた時期なんです。芸能事務所にも所属していなかったんですよ。ハワイに家をもって、『自然とともに生きるぞ!』と決めた時だったんですけど、でもちょこちょこテレビの仕事も続けてはいて、『こういうのがあるけど、お付き合いで出て』というオファーが来たんです」

――土曜ワイド劇場の「相棒」ですね。和泉聖治監督は益戸さんのデビュー作である「沙耶のいる透視図」も撮っていますね。

益戸:「そうそう。それで台本を読んで参加させていただいたんです。2時間ドラマの2回目、3回目と視聴率がよくて、ちょうど連続ドラマになるという年」

――2002年ですね。

益戸:「はい。その年が、ちょうどフリーダイビング競技の大会がある年だったんですね」

――益戸さんは、フリーダイビングに選手として出場されているんですね。「日本大会で水深45mの日本新記録(当時)を達成。さらに、11月にハワイで行われたフリーダイビングW杯では記録を更新して、水深53mの日本新記録(当時)。個人では4位、総合では2位となり銀メダルを受賞」とあります。

益戸:「そういうことをしていたので、じつは、連続ドラマになる時に、いい切り替わり時なので『私はいったんここでご遠慮させてください』ということをお願いしたんです」

――そんなことがあったんですか!

益戸:「だけど、全員が『たまきさんが他の人になったら話にならない』みたいな感じで、みなさんが協力してくださって、スケジュールを調節してくださったんです。それで連続ドラマに参加していまに至る、とても不思議なご縁なんです」

――長いご縁になりましたね。

益戸:「ほんとに。人生って面白いなと思いますね。たまきって環という字があるじゃないですか。プライベートで『命のつながり』ということをやっているんですけど、そういうところも微妙にリンクしていたりして」