究極の味と店を求めて、焼肉の世界を探究する男女6人組のグループ「ヤキニクエスト」。彼らは一般のグルメガイドとは違う切り込みで、焼肉が与えてくれる感動を求めQUEST(探究)を続けている。その主宰者であり、今も年間100軒を超える焼肉屋に足を運ぶというgypsy氏に、最新焼肉トレンドを聞いた。

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肉の旬は冬!しかし食べたくなる季節

 夏になると「焼肉」需要は高くなる。

 といっても肉の旨味が増す、という理由からではない。むしろ肉の旬は冬だと、ヤキニクエスト主宰、gypsy氏はいう。

「人間と同様に、多くの牛、豚、鶏といった食肉用の家畜たちは、夏になると食欲が減退気味になります。このため、脂ののりなどを含め、冬の方が肉の味が良いと言われています」(gypsy氏)。味だけで考えれば、冬のほうが旨い肉にありつける可能性が高いわけだ。

 しかし実際、夏になるとなぜか焼肉屋は混雑するし、食べたくなる、という人も多いのではないだろうか? そう、夏バテにはパワー食=肉、という発想が根強くあるものと考えられる。また、ビールなど口をサッパリさせてくれる冷たいアルコール飲料との相性が抜群だから、あるいはバーベキューの機会が増えるからなど、季節ものとしての需要もあるのかもしれない。

 いずれにせよ、“食べたくなる季節”である今、肉のトレンドをしっかり押さえ、旨い店をチェックしておきたい。

焼肉屋の平均レベルはこの5年で上がっている

 まず、2年半前の記事(「日経おとなのOFF」2009年1月号 転載記事)を参照いただこう。08年末の時点では、「コース系」か「カウンター系」がトレンドとなると予測されていた。

「08年末は“霜降り偏重”や“A5信仰”がようやくひと段落し希少部位ブームが話題となっていました。そこからカルビ、ロースなどの定番モノや、希少部位に偏らず、牛肉の素晴らしさをコースで味わおうということで“コース系”は注目でした」。

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 しかし、やはり経済不況の影響を受けたことは大きく、現在人気店となっているのは「大半が“安くてまずまず旨い”店」(gypsy氏)だ。ただし、肉の旨さを知ってしまった人たちには、単に安いから足を運ぶという発想はない。

「そもそもこの4、5年で、東京の焼肉屋の平均レベルが上がっているのだと思います。もともと焼肉は、関西エリアで強い文化。特にホルモンなどは、東京より圧倒的に大阪で食べたほうがおいしいという印象がありました。精肉技術や流通に差異があったといえるかもしれません。ところが、この1、2年は特に、東京近郊の焼肉屋で、肉のレベルがボトムアップしたなぁと感じることが多いですね」(gypsy氏)

 ではその安くて旨い店の中で、肉に限っていえば、どんなトレンドがあるのだろう。