売上高7.5%減にも関わらず、営業利益で63億円の黒字へとV字回復を果たしたセガのコンシューマ事業。米国市場が大きく落ち込んでも、開発タイトルの絞り込みやリストラをいち早く取り組んできた結果が数字に表れた格好だ。こうした守りの戦略を展開する一方、オンラインゲームへの取り組みを活発化させるという。国内外のコンシューマ事業を統括する鶴見尚也常務取締役・CS事業部長に、2010年の見通しについて聞いた。

(聞き手:渡辺一正)

鶴見 尚也(つるみ・なおや)
常務取締役 CS事業部長
「開発タイトルを絞り込み、相当な覚悟でリストラを実行してきました」
(写真:中村宏)
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――2009年度を振り返って、どんな1年でしたか?

鶴見氏:セガはこの2年間、ビデオゲーム事業について見直しをしてきました。おそらくほかのゲーム会社よりも早いタイミングで、事業の見直しを迫られたと思っています。その背景には、開発費が高騰する一方、ゲームタイトルの収益性は低くなったことがあります。ゲームビジネスは厳しい環境に追いやられたわけです。

 そこで、2007年以降、進行中のプロジェクトを見直し、開発中止を含めた精査に努めました。進行させるタイトルを絞り込み、利益が出ないと判断したタイトルはキャンセルするという強い決意で実行してきました。これまで、年間35~36タイトルほど開発をしてきましたが、2009年度はそれを17タイトルまでに絞り込んだほどなのです。

 また日米欧の各拠点でも、組織のリストラクチャを実行し、適正サイズを目指しました。日本では数%、欧米では10%程度組織をスリムにしたのです。相当、苦しい思いをしました。

 その成果がやっと結実したのが、2009年度でした。ビデオゲーム事業単独で見ると、2009年度決算はずいぶんとプラスになりました。他のゲーム会社と比べても、先にトンネルを抜け出せたのではないか、と思っています。【編集注:コンシューマ事業は売上高約1215億円(前年比7.5%減)、営業利益63億円(黒字化)】

――他社よりも早く動けた理由は何ですか。

鶴見氏:これは何かおかしいぞ、と気づいたのが約2年前。結構、早い時期だったのではないでしょうか。その同時期にアミューズメント事業も傾いていたのです。そして、セガサミー全体のビジネスを見直している最中に、米国のサブプライム問題が発生しました。

――絞り込みをしたという話ですが、総括するといかがですか。

鶴見氏:大型タイトルについて言うと、ハズレはありませんでした。『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』は、ワールドワイドで653万本を出荷しましたし、収益的にも良い結果を残しました。『ベヨネッタ』は全世界で135万本近く売れています。『エンド オブ エタニティ』などの、新しいIPもきちんと成果を残せました。

 定番タイトルとしては、欧州で発売している『FOOTBALL MANAGER』シリーズ、『Aliens vs. Predator』(欧米:169万本)というタイトルも期待通り売れました。

――『マリオ&ソニック』で、次のロンドン五輪の公式タイトルも作るのですか。

鶴見氏:それについてはノーコメント(笑)。

全世界で653万本を出荷した『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』
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全世界で135万本の成功を収めた『ベヨネッタ』
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新規タイトルとして成功を収めた『エンド オブ エタニティ』
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欧米市場で169万本を出荷した『Aliens vs. Predator』
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