コーエーとテクモが経営統合して1年。初めて迎えた2010年3月期決算は、売上高約345億円、営業利益約6億円と、期中の修正予想からはプラスとなったが、期初の目標には届かなかった。

 この結果を「厳しい船出」と振り返るコーエーテクモゲームスの松原健二代表取締役社長の顔には、深い落胆の表情はない。なぜなら2年目となる今期は、コーエーテクモグループを再編し、最終体制に整えて再出発を期し、2011年3月期には営業利益50億円のV字回復を目指す考えだからだ。そのビジョンについて松原社長に聞いた。

(聞き手:渡辺一正)

松原健二(まつばら・けんじ)
「改めて、私たちのモノを作る力、お客様に届ける力を見直したい」(画像クリックで拡大)

――2009年度は、コーエーテクモにとってどんな1年でしたか。

松原氏:なかなか厳しい1年でした。2010年2月に大幅な業績修正を報告しましたが、結果的に営業利益や経常利益は少し持ち直しました。ただし、期初の見込みと比べると、厳しい数字となったのは事実です。2009年度は統合初めての年でしたが、大変厳しい船出になったと言えます。

 世界不況という経済環境下ではありますが、こうなった一番の原因は私たち自身の中にあるのではないかと思っています。例えば、2009年度に出荷できると思っていた大型タイトルのうちいくつかが、作りきれずに2010年度にずれ込んでしまったという点。また、リリースした大型タイトルの収益性が目標を下回ったという点などが重なった結果だと考えています。改めて、私たちのモノを作る力、お客様に届ける力というところを見直していく必要があると思っています。

――具体的には、どのような現象だったのでしょうか。

松原氏:2008年度と比べるとゲーム業界も景気の影響を受けているとは思います。しかし、2009年度のハードウエア出荷台数を見ると、プレイステーション3(PS3)もXbox360も欧米を含めてずいぶん力強くなっています。従って、我々のようなサードパーティがビジネスできる領域は広がっているのは確かなのです。しかし、そのチャンスを生かし切れていないというのは何か問題があるのだと考えています。

 コーエーという企業は、発売するほとんどのタイトルで、ある程度の利益を確保することに加え、無双シリーズのようにヒットするタイトルが大きな利益を上げます。全体で見ると高収益体質を維持し、赤字タイトルは作らないというのが伝統でした。

 ところが、2009年度は“堅いタイトル”も、予想した収益を下回るケースがありました。『戦国無双』(2004年発売)はプレイステーション2(PS2)版で100万本超、『戦国無双2』(2006年発売)は約60万本を出荷しましたが、Wii用に出荷した最新作『戦国無双3』(2009年発売)は50万本に届きませんでした。

『戦国無双3』(Wii)
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謎の村雨城: (C)1986-2009 Nintendo
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