東京で青森『しじみらーめん』を食す

串焼き『串とろ』は、青森・津軽出身の佐々木氏が作る“濃厚しじみらーめん”が自慢の店だ

串とろ
東京都港区六本木7-12-3
パワーハウスビル 1F

濃厚しじみらーめん ランチタイム900円(夜は各ラーメン+100円)(画像クリックで拡大)

 今日もまた飲みすぎて、肝臓が気になるものの、“シメ”にはやはりラーメンが恋しい。そんな気分で歩いていると、目に止まったのが『しじみらーめん』の看板。東京・六本木の東京ミッドタウン向かいの雑居ビル1階にある、串焼き『串とろ』は、青森・津軽出身の佐々木善哉氏が作る“濃厚しじみらーめん”が自慢の店だ。 前回の取材で、肝臓のケアに、シジミに含まれるオルニチン成分が良いと知った以上、東京ではあまりお目にかかれないシジミとラーメンの組み合わせが、はたしてどんなマッチングか探ってみよう。

 出てきたラーメンでまず目を引くのが、縁にかけられた茶こしに盛られた山盛りのシジミ。実は青森県は全国第2位のシジミの産地で、シジミラーメンは人気のご当地メニュー。現地では、麺の上に直接貝を載せるが、ご主人は「酔っぱらった人が貝殻までボリボリ噛んじゃうこともあるから」と気を配り、このスタイルを工夫したという。

 青森にいた当時は意識しなかった特産のシジミだが、さまざまなシジミを取り寄せ試した中から、現在は青森県小川原湖のシジミで出汁をとっているという。スープを一口すすると、あっさりした醤油ベースにシジミ独特の滋養たっぷりエキスがしっかり感じられる。豚骨系が主流の昨今、アサリや海老などの海鮮系スープともまたちがった、珍しい新鮮な味わいだ。

 麺もまた独特の、縮れた細麺。青森はもともと細麺が主流だが「なかでも超縮れの細麺を吟味して」弘前の製麺屋から取り寄せているという。これが細いのにコシが強く、シジミを食べるのに時間がかかっても伸びない。縮れにスープがよくからみ、絶妙な組み合わせだ。その上、油抜きされた豚トロのチャーシューが、フルフルと、とろけるような極上の柔らかさで、これまたシジミのスープと良く合っている。一気に無言で”完食”してしまうラーメンだったのである。

 佐々木氏が東京に出てきたのは10年前。初台などで屋台を営み、その後、六本木に現在の店を構えた。注文がきてから吟味した素材を串刺し炭火で焼く「寿司屋のような」こだわりの串焼きだけでなく、青森時代にラーメン店で修業した腕を生かして、煮干しベースの『八戸ラーメン』や、故郷の特産シジミを使った『しじみらーめん』を出し話題に。現在は、ランチタイムの看板メニューにもなっている。早朝帰宅して昼には開店するキツイ仕事だが、シジミのパワーか、六本木の土地柄か、若さが溢れた笑顔をみせる。

 場所柄、芸能人や女性のお客さんも多いが、青森の人も良く立ち寄ってくれるそうだ。「青森の人間はシャイで口ベタ。だけど、ラーメンに万札を出して釣りはいらないと帰ってしまう人や、もう来ないのにボトルを入れてくれたり」。故郷に支えられてきたという思いから、4月23日のシジミの日には、シジミ汁を無料配布するイベントを行うなど、故郷・青森特産のシジミを、今後も盛り上げていきたいそうだ。

 その青森に、「シジミが肝臓によい」を科学的にたしかめた研究者がいると聞いて、直接たずねることにした。