――立体視などの新技術によってゲームコンテンツは変わりますか。

和田氏:立体視はゲームの要素の一つとして加わるという意味で捉えています。こうした技術トレンドには常時対応していきますが、すべてのゲームが立体視にシフトするわけではないでしょう。

 昔、NECが裸眼立体視パソコンを製品化したときに、『FFXI』を立体視で供給しました。また、『FFXIII』の立体視映像を映画館で放映したりしました。そういう形で、新技術に対応するコンテンツ供給は必ず実行しますが、スクウェア・エニックスが立体視ゲームですべて勝負する、という形で投資することはありませんね。

――2010年のスクエニ注目のタイトルは何ですか。

和田氏:4月に、前作が好調だった『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2』と、新しいIPである『ニーア ゲシュタルト』と『ニーア レプリカント』を発売しました。

 また、今年は何と言っても、現在αテストをしている『ファイナルファンタジーXIV』ですね。これは年内に発売します。先に話した『Kane & Lynch 2』などのEidosタイトルや、新規タイトルでいくつか仕込んでいるものにも期待をしています。あと、時期は未定ですが『The 3rd Birthday』や『Deus Ex: Human Revolution』も今後の注目タイトルですね。その他、国内での海外他社タイトルの販売にも引き続き注力します。

 パッケージゲーム以外にも、ダウンロード型、スマートフォンをはじめとする携帯電話などへの展開も積極的に行います。グループのタイトーではiPad向けのコンテンツの配信を開始していますしね。

「ソーシャルゲームは社内の別働隊を組織し、開発をスタートしています」(画像クリックで拡大)

――ソーシャル系では、『ニコッとタウン』のアバターを複数のプロバイダに供給するようになりましたが。

和田氏:ニコッとタウンは会社設立から2年目が終了したところですが、サービス開始後1年経たずにコンスタントに利益を出すようになって、2009年度では黒字になりました。その成功を周りが見てくれたということでしょう。プロバイダは複数と提携するという目標は当初から持っていたのです。

 ソーシャルゲームについては、ニコッとタウンとは別に稼動させるつもりです。別動隊を社内に確保して、開発を開始しています。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)は、地域特性や民族特性が大きく影響するので、応用が利かないのではないかという仮説を持っています。だから、北米のSNSは北米部門が作るし、日本は日本チームが開発するべきだと考えています。

 日本ではTwitterが受け入れられそうですが、Facebookはまだ本格的ではないし、MySpaceの動きは見えにくくなりました。SNSも一筋縄ではいかないと見ています。私もTwitterで情報発信を始めて、1カ月くらい経ちますが、社内に対する影響は思いのほか大きかったです。

――CESA会長として、ゲーム産業について一言。

和田氏:ゲーム産業に対して「作る土壌をどうするか」という問題について問いかけ続けてきました。その一つの答えとして、CEDECに注力しました。2009年から大きく変化して、成果が出始めていますが、とにかく地道にやっていきます。CEDECのアドバイザリーボードに、Eidos出身の技術責任者に入ってもらいました。彼のおかげで、CEDECにも有力な海外講師のセッションが実現できそうです。

 また、「市場としてどうやってグローバルに開いていくか」という課題に対しては、東京ゲームショウ(TGS)がその役割を担います。アジア圏の中での存在感をより強めていくという面で、今年の新生TGSに期待しています。

『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2』
(c)2010 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
対応機種:ニンテンドーDS
発売予定日:2010年4月28日(水)
希望小売価格:5490円

『ニーア ゲシュタルト』(上)/『ニーア レプリカント』(下)
(c)2010 SQUARE ENIX Co., Ltd. All Rights Reserved. Developed by cavia Inc.
機種 : 「ニーア ゲシュタルト」 Xbox360 / 「ニーア レプリカント」 PlayStation 3
発売日 : 2010年4月22日(水)
希望小売価格 : 7800円
(画像クリックで拡大)

『ニコッとタウン』
(c)2008, 2009, 2010 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.
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