国の補助金をきっかけに、太陽光発電や燃料電池などを利用して電気をつくり出す「創エネ住宅」に注目が集まっています。しかし、創エネ住宅についての試算データは多種多様。建て主が納得するには、提案や説明にどのデータを使えばいいのか、頭を悩ます住宅会社も少なくありません。

 そこで、2009年6月時点の各種データから、日経ホームビルダーが独自に基準仕様と試算条件を作成し導入効果の比較を試みました(下の表参照)。

試算条件は、建築環境・省エネルギー機構「住宅事業建築主基準の判断の基準ガイドブック」などを参考に本誌が作成。電気料金、ガス料金のシミュレーションは、東京電力と東京ガスのウェブサイトを利用。太陽光発電システムの年間発電予測量のシミュレーションは、京セラのウェブサイトを利用した。各種データは2009年6月時点(資料:日経ホームビルダー)(画像クリックで拡大)

 ここでは、国の補助金を活用して太陽光発電システムを設置し、補助金の対象となるエコ給湯器を導入した場合、どのように費用や光熱費が変わるのかを比較しました。モデルは、新築の戸建て住宅です。

エコキュートは年16万円の削減効果

 まず、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機「エコキュート」と太陽光発電を組み合わせたオール電化仕様から見ていきましょう。

● 電気料金は、東京電力の電気料金シミュレーションで試算
 ・ 料金プラン:電化上手、契約:10kVA、燃料費調整:.1.75円/kWh(2009年6月)で試算、口座振替割引:なし、割引対象機器:通電制御型夜間蓄熱式機器(4kVA)、全電化住宅割引:あり
 ・ 1日の電気の使用量配分を、昼間(10時.17時)25%、朝晩(7時.10時、17時.23時)50%、夜間(23時.翌7時)25%とした
● 太陽光発電システムの年間発電予測量:3221kWh(京セラの住宅用ソーラー発電シミュレーションで試算)、売電単価:28.07円で試算
(資料:日経ホームビルダー)(画像クリックで拡大)

 国の補助金は、エコキュートが1台当たり4万1000円、太陽光発電が1kW当たり7万円です。今回は、一般的な太陽光発電システムとして3.29kWで計算。太陽光発電分の23万300円とエコキュート分を合わせて27万1300円の補助が受けられます。

 基準仕様は、ガス式の温水床暖房を標準としました。オール電化ではこれを電気式の温水床暖房に仕様変更したので、設備は約5万円下がりました。この差額分と補助金を合わせて差し引くと、実質のイニシャルコストは270万円程度となります。

 光熱費はどうでしょうか。試算では、太陽光発電の余剰電気(全体の発電量の56%)を売電する設定。昼間(10時〜17時)、朝・晩(7時〜10時、17時〜23時)、夜間(23時〜翌7時)の消費電力量の比率を25%:50%:25%として計算しました。基準仕様と比較して、年間で16万円ほどお得になります。

 このうち、売電分の約5万円を含めた太陽光発電の削減効果は約8万円。残りの約8万円はエコキュートを導入した効果です。エコキュートと太陽光発電を併用すると、年間の光熱費は基準仕様と比べて4割弱に抑えることができました。