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M邸への保坂さんの提案
地盤を含めた耐震診断で
効果的な補強方法を決める
Mさんは、築35年になる我が家の耐震性に不安を抱いています。中古で購入した当初から、1階リビングの窓側の床が、庭に向けて下がっていました。庭の端は擁壁(がけ地の人工斜面の保護壁)で、隣地は4m以上落ち込んでいます。「地盤が傾いているのではないでしょうか。地震のときに家や擁壁が崩れないか心配です」とMさん。また床がべたべたするなど室内の湿気が高く、床下の状態も気になります。
耐震リフォームの専門家、匠建築の保坂貴司さんがMさんの悩みを聞き取り、さらに室内や外観、庭などを見て回りました。
保坂さんはヒアリングと建物調査を基にM邸の構造計算を実施。まとめたリフォーム提案が下の1〜6です。予算200万円で、壁、湿気、地盤という3つの不安対策を盛り込みました。
壁の補強は、一般の耐震リフォームでも核となる工事です(1、3)。「調査で明らかになった弱い部分に、構造用合板などで補強した耐力壁を設けます」(保坂さん)。ここでは、駐車場の柱や道路側の和室を中心に4カ所、計145万円の壁補強を提案しました。湿気対策では、床下に防湿シートを敷き詰めて、土からの湿気を封じる安価な工事を勧めました(2)。
一方Mさんが最も気にしていたリビングの床と擁壁については、保坂さんも対策の必要性を強調。ただ、本格的な補強工事は200万円以上かかるので、まずは20万円程度で庭の防水工事をすることを提示しました(4)。「地中に水がたまると擁壁に力がかかって崩れてしまう危険も。そこで、地面に水がしみ込まないようにしておき、予算ができたら本格的に補強工事をしましょう」(保坂さん)
保坂さんは補強工事を効果的に行うには、地盤の状態を正確に把握する必要があると考えています。M邸では事前にスウェーデン式サウンディング(SS)試験という標準的な地盤調査を行っていました。保坂さんはさらに、もう一つ別の地質調査の実施を勧めます(5)。



