被写体の背景のボケを大きくするユニークな「ぼかしコントロール機能」を搭載した「FinePix F70EXR」(画像クリックで拡大)

 一般的な傾向として、被写体の前後のボケが大きいと「うまい写真だ」と感じる傾向がある。ボケが大きくなりやすい一眼レフカメラと比べ、撮像素子の小さなコンパクトデジカメやカメラ付きケータイは大きなボケを得にくい。ボケの大きな写真を撮影するのは、コンパクトデジカメユーザーの憧れだろう。

 その課題を画像処理で解決しようという新機能が、富士フイルムの「FinePix F70EXR」(以下、F70EXR)が搭載した「ぼかしコントロール」だ。シーンモード内に新たに加えられた。シャッターを切ると自動的に2枚の写真を連写し、その画像を基にしてメーンの被写体と背景の距離を計算。画像処理によって背景のボケだけを強調する仕組みだ。

設定は、モードダイヤルをシーンポジションに合わせ、「ぼかしコントロール」を選ぶだけでよい(画像クリックで拡大)

ぼかしの度合いは1~3の3段階で切り替えられる。画面の右下に表示されている水色の数字がぼかしの強度を表す(画像クリックで拡大)

ぼかしコントロール機能を使って撮影した写真(左)。通常モードで撮影した右の写真と比べ、背景にあるパソコンの画面やキーボードが大きくぼけているのが分かる。2つの写真を並べると分かるが、ぼかしコントロール機能をオンにすると画角が若干狭くなる(画像クリックで拡大)

 ぼかしコントロールで撮影した写真を見ると、背景のボケが若干大きくなる。さすがに絞りを開けたデジタル一眼レフでの撮影には及ばないが、それでも撮り方や被写体によっては「ボケのあるうまい写真だな」と感じる仕上がりにできる。ボケの拡大は被写体の後方のみ有効で、前ボケは大きくできない。

おいしそうな料理を撮影。ぼかしコントロール機能を有効にして撮影したのが右の写真だ。通常モードでの撮影(左)と比べ、奥に置いた料理のボケが大きくなった。等倍に拡大して見ると、手前の皿の境界部分にぼけを大きくした痕跡が見られ、一部は意図せぬ部分にも処理がかかっているのが分かる。だが、目を凝らして見なければ気づかないだろう(画像クリックで拡大)

 いくつかの制約もある。被写体と背景の距離によっては「背景をぼかせません」と出て、通常撮影となってしまう。被写体と背景が同系色だったり距離が近かったりすると、ボケの処理が意図しない領域に及ぶこともある。ぼかしの強度を最大にしてもほんのりボケが大きくなるだけで、一眼レフのように丸いきれいなボケは期待できないのも残念だ。

 まだ改良の余地はあるものの、ボケの拡大に着目した機能は魅力的だ。人物や料理をよく撮る人に注目してほしい機能といえる。

FinePix F70EXR
「ぼかしコントロール機能」
この機能のお薦め度 ★★★  

(文/磯 修=日経トレンディネット)