“イオン放出系”の代表格
シャープ「プラズマクラスター」VSパナソニック「ナノイー」

 空気清浄機における除菌方法は大きく分けて2つある。

 空気中に微細なイオンを放出し、浮遊ウイルスを分解・除去する方法と、気流に乗せて吸い込んだウイルスを本体内部に取り込んで分解・除去する方法だ。分かりやすい表現方法として、放出タイプを燻蒸式殺虫剤「バルサン」、本体に取り込むタイプを粘着式ゴキブリ駆除用品「ごきぶりホイホイ」に例えて説明しているメーカーもある。

 前者の“放出系”の代表格といえるのが、シャープの「プラズマクラスターイオン」と、パナソニックの「ナノイー」だ。プラズマクラスターイオンはプラスとマイナスのイオンが浮遊ウイルスの表面を取り囲み、そこで反応して強力な活性物であるOHラジカルに変化、表面のたんぱく質を物理的に破壊するメカニズムになっている。プラスイオンとマイナスイオンという、“森林の空気に多く存在する=自然界に存在する”イオンと同じ種類であることから、安全性を解明済みだと発表している。

 従来からシャープではこのプラズマクラスターイオンの発生装置を搭載した空気清浄機などを発売していたが、高濃度化により、浮遊するウイルスを約10分間で99.9%分解・除去することを英国ロンドン大学のジョン・オックスフォード教授との共同研究で実証。アレル物資やカビ菌、付着カビ菌なども除去することを広島大学大学院ほかで実証している。昨年秋には、この高濃度プラズマクラスターイオンを発生させる加湿空気清浄機のほか、「プラズマクラスターイオン発生機」を発売し、注目された。

 一方、パナソニックの「ナノイー」とは水に包まれた微粒子イオンのことで、水に高い電圧をかけることで生成される。水に包まれているため、空気中に長時間浮遊。空気イオンに比べ約6倍寿命が長く、水に溶けにくい酸素や窒素とは結合しないため、空気中はもちろん付着したウイルスにまでしっかり届いてキャッチ。ウイルス表面のスパイクに付着して無力化するという。

 パナソニックでは、北里環境科学センターの協力を得て、10立方メートル(約3畳)の空間でナノイーによる浮遊菌の除菌効果を初めて実証。実生活に近づけた空間で実験を行ったところ、180分間で浮遊菌を99.9%除去するとしている。また、ウイルスについては、日本食品分析センターにて試験容器内で直接暴露して測定した結果、付着したウイルスが240分後には99.9%抑制(パナソニックではこれを「無力化」と表現)することを実証した。これを受け、10月上旬には、この「ナノイー発生ユニット」をダブルで搭載させたナノイー発生機を発売する予定だ。

 ただし、シャープ、パナソニックともに新型インフルエンザウイルスに対する実証結果はまだ発表されていない。