国内ではパナソニックに先を越されてしまったが、ソニーは2008年9月発売の海外モデル「Cyber-shot DSC-T500」(国内未発売)でいち早くHDムービーに対応している。今回の国内ラインアップでは、その動画ノウハウを生かしてHDムービー対応モデルの充実が図られた。

ソニーが2009年3月に発売した「Cyber-shot DSC-T900」(画像クリックで拡大)

 「DSC-T900」は「Cyber-shot Tシリーズ」の最上位モデルという位置付けで、同社のコンパクト機では最高レベルのHDムービー撮影機能を搭載している。

 外見はTシリーズのスタイリッシュさを継承したデザインで、レンズの飛び出さない内蔵屈曲ズームを採用した超スリムなボディーはアクセサリーのような感覚だ。シルバー、レッド、ブラック、ブロンズブラウンのカラーバリエーションをそろえており、若い女性にも似合いそうだ。特にレッドとブロンズブラウンは、特殊な手法によってアルマイトに濃淡を付けるという、凝った塗装が施されている。

 前面カバーをスライドしてさっと撮れるフットワークの良さも継承しており、撮る側も撮られる側も、ムービー撮影であることを過度に意識しなくて済む。こうした手軽さとお洒落さでは本機がトップという印象だ。

 本機は、1/2.3型で有効1210万画素のCCDを搭載し、レンズ筒が飛び出さない屈曲光学4倍ズームレンズ(35mmフィルム換算で動画の場合38mm〜152mm)を採用している。パナソニック「DMC-TZ7」の12倍ズームと比べると、ワイド感と倍率が物足りない印象だが、AF追従の速さはテスト機でトップだった。

 ムービーの撮影・停止ボタンはスチルのシャッターボタンと兼用になっている。シャッターボタン手前にあるスイッチでスチルとムービーを切り替えて、シャッターボタンで撮影・停止を行う仕組みだ。

天面に電源ボタンやシャッターボタンやズームレバー、再生・録画切り替えレバー、再生ボタンを備える(画像クリックで拡大)

メニュー操作や各種設定など、撮影以外のほとんどの操作はタッチパネル液晶で行う(画像クリックで拡大)

 操作にタッチパネルを採用しているが、メニュー構成がやや散漫な印象だ。ムービー撮影自体は手軽に行えるものの、設定画面のページ送りなどが直感的には理解しにくい。ムービーとスチルの機能をタブ切り替えで設定できるパナソニックTZ7の方がシンプルで分かりやすかった。

撮影モードと再生モードのメニュー画面。メニュー構成を見直せば、さらに操作しやすくなるだろう(画像クリックで拡大)

再生メニューではスチルとムービーの混在表示が可能(画像クリックで拡大)

スライドショーはスチルのみとなっている(画像クリックで拡大)