『モンスターハンター』海外展開のプランニングに着手

――カプコンの09年の事業戦略について教えてください。

辻本氏:方向としてはこれまでと同様、ゲームの価値を高めるために外部の企業などと連携・協力していく戦略の継続です。

 先ほども話しましたが、09年2月に発売した『ストリートファイターIV』で実施したような映画とのコラボレーションにも注力したいと考えています。前作ゲームのリリースから時間が経過している場合でも、このように映像作品と組み合わせることで、ゲームから離れた人たちを呼び戻すこともできます。

ワールドワイドで200万本出荷となったゲーム『ストリートファイターIV』の発売に合わせて公開された実写版映画『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』
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(c) CAPCOM CO., LTD. / Based on Capcom's Street Fighter Video Games(画像クリックで拡大)

 同じく、『バイオハザード』シリーズについても、CG映画『バイオハザード ディジェネレーション』をリリースしたことで、『バイオハザード5』の注目度を高めました。

 また、『逆転裁判』シリーズは、新作の『逆転検事』の発売を挟み、宝塚歌劇団さんの舞台とのコラボレーションがあります。

 さらに、『モンスターハンターポータブル 2nd G』の勢いを生かしたまま、『モンスターハンターG』のWiiへの移植・リメイク版を、シリーズ最新作『モンスターハンター3』の発売前に売り出します。5月には東京フィルハーモニー交響楽団によるコンサートも実施します。

 このように主要シリーズについては、単独で新作タイトルを発売するのではなく、さまざまなコンテンツとのコラボレーションにより周囲を巻き込みつつ、廉価版リリースなども加えて、継続したマーケティング戦略を考えています。

 ちなみに、映像分野とのコラボレーションでは、このほか、『クロックタワー』や『ロストプラネット』などが動いています。いずれもスケジュールは順調です。

Wii向けにリメイク、移植された『モンスターハンターG』。『モンスターハンター3』のお試し版も同梱。オリジナル仕様のクラシックコントローラ付きのものもあり
(c) CAPCOMCO., LTD. 2004, 2009 ALL RIGHTS RESERVED.(画像クリックで拡大)

Wii向けに開発中のシリーズ最新作『モンスターハンター3』
(c) CAPCOMCO., LTD. 2009 ALL RIGHTS RESERVED.(画像クリックで拡大)

――『モンスターハンター』シリーズは今年も引き続き注目されそうです。

辻本氏:そうですね。『モンスターハンター』シリーズは、国内では大きな成功を収めることができましたし、今後の売り上げにも期待しています。

 ただ、カプコンのゲームビジネスのスタイルからすると、欧米での事業展開も考えていく必要があります。実際、『バイオハザード』シリーズなどは、日本よりも欧米の方が大幅に売り上げ本数が多いわけですからね。

 ですから、『モンスターハンター』シリーズについては、来期から欧米でいかに売っていくかを考えていくことになります。それが“チーム・モンスターハンター”のミッションの1つになるでしょう。

――今後の可能性は大きそうですね。

辻本氏:ええ。この件については、実際に欧米で成功できるか全くわかりませんが、チャレンジする価値があるプロジェクトだと認識しています。

 1つのアイデアですが、携帯ゲーム機向けの『モンスターハンターポータブル』の場合は、車社会の米国よりも、公共交通機関の利用度が高い欧州の方が、(通勤や通学の合間にプレイするという)日本のライフスタイルに近いので、欧州から事業展開を始めるというのもいいかなと思っています。