スタジオジブリがアニメーション制作を担当することで、国内のエンターテインメント業界を驚かせた新作ゲーム『ニノ国』をはじめ、矢継ぎ早に多彩な“技”を繰り出すレベルファイブ。2009年はパブリッシャーとして大きくステップアップし、ブランド力のさらなる向上を狙う。そんな同社の戦略について日野晃博社長に聞いた。(聞き手:中村 均)

――2008年末はパブリッシャー、デベロッパーの両方でタイトルのリリースがありましたね。 

日野氏:ええ、11月末に自社パブリッシングタイトルの『レイトン教授と最後の時間旅行』、そして12月25日にはデベロッパーとしての『白騎士物語-古の鼓動-』がソニー・コンピュータエンタテインメントさんから出ました。

 さらに、年末でも8月に出した『イナズマイレブン』が売れ続けていたんですよ。ですから、ビジネス的にいい年末年始でしたね。

デベロッパーとして開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントが発売したRPG『白騎士物語-古の鼓動-』 Created by LEVEL-5 Inc.(C)2008 Sony Computer Entertainment Inc.(画像クリックで拡大)

――ということは、世の中の不景気の影響は受けなかったということですか。

日野氏:個人的には、それほど大きく体感はしていません。けれども、ゲームのデベロッパー会社を経営している友人から、最近は受託案件が減ってきたという話をちらほら聞いています。

 幸いなことに、たまたま僕らは仕事をたくさんいただいており、スケジュールは詰まっている状態なのですが、仲間たちからそういう話を聞くと、不況の影響でゲーム業界全体では仕事のオーダーが減っているんだろうなと見ています。

 そうは言っても、今のところは店頭でゲームソフト自体が売れなくなるという状況には至っていないですよね。

レベルファイブの日野晃博社長

――確かに、この年末年始は量販店などのゲーム売り場は大変な混雑でした。

日野氏:そうですよね。正直、びっくりするくらい大手量販店の店頭ではお客さんが並んでいました。レジ待ちで15分くらい並んでようやく買えるという感じでしょ。

 さすがに福岡ではあそこまでは混んでないですよ。東京のビックカメラやヨドバシカメラの店頭はすごい。

 振り返ってみると、クリスマス前からすごかったんじゃないですか。一見すると“今日は何かビッグタイトルが発売された?”と思うほどの混み方です。でも、お客さんの手元を見ると、特定のゲームを買っているわけではなく、皆それぞれにいろいろなゲームをレジに持っていっているんですよ。

――ゲームソフトの販売面では不況の影響があまり見られません。今後も堅調な動きを期待できるのでしょうか。

日野氏:いや、それはどうでしょう。この年末年始の段階では消費者が「ゲームを買う」という行動においては、目立った影響はありませんでしたが、今後はボディーブローのように、じわじわ効いてくるかもしれません。