自然素材を使ったリフォームは人気がある。しかし、自然素材の風合いが台無しだったり、自然素材だけが浮いてしまっていたりすることが少なくない。一口に自然素材といっても、物によって持ち味は多種多様だからだ。

 自然素材を使う際は、どのようなテイストにするかテーマを絞り込み、それにふさわしい素材と仕上げを空間全体にわたって厳選することが重要だ。

 そこで本特集の最終回では、自然素材の持ち味をうまく生かした2事例を紹介する。

 ケース1は、築37年の事務所ビルにある、オーナー住戸の玄関ホールと廊下、和室を、静かな和風モダンにイメージチェンジした例だ。和の要素として、適所に「竹」「紙」「土」を取り入れた。

 玄関を入って正面に位置する和室の壁には、黒竹の櫺子(れんじ)をあしらい、和を上品に主張した。部屋に射し込む光が適度に透けるよう、黒竹の間隔は、建て主と設計者とで話し合いながら決めた。

※櫺子=木や竹の桟を窓などに一定間隔で取り付けた格子

玄関から見た和室壁面の黒竹櫺子(れんじ)。裏庭側から室内を通して漏れる光と影が美しい(写真提供:三井ホームリモデリング)(画像クリックで拡大)

和室。黒竹のすき間から玄関が見える(画像クリックで拡大)

 さらに、室内の壁と天井は、わらすさ入りのけい藻土、入口のふすまには本和紙を使用している。全体の色調をモノトーンでまとめ、静かな雰囲気を一層引き立てた。

After 和室と玄関方向の廊下を見る。入口のふすまは、本和紙の太鼓張り(画像クリックで拡大)

Before 上の写真のリフォーム前の状態。廊下の内装が所々で区切られていた(画像クリックで拡大)

和室の壁面はわらすさ入りのけい藻土、縁甲板に黒檀(こくたん)を使用。雪見障子で裏庭を楽しむ(画像クリックで拡大)

Before 以前の和室は乱雑になりがちだった(画像クリックで拡大)