ニーハオ! 日経トレンディネットでカメラの新製品レビューやクロスレビューなどを担当してきた写真家のシカノです。

 なぜニーハオなのか? 実は「日中写真文化交流協会」という、写真を通じて日本と中国の文化交流を図るNPOの事務局長をしています。2008年は、東京国際フォーラムと北京の故宮博物院(紫禁城、あの『ラストエンペラー』の舞台です)の2回、日中両国の写真家によるグループ展を開きました。

 このNPOに携わることになって北京を訪れたのが、2007年6月。実はそれが初チャイナでした。それまで、中国にはほとんど興味も知識もなく、「町を撮影しに行くと監視役がこっそり付く」という知人の冗談を真に受けていました。もちろん、実際には監視役などいなかったわけですが…。

北京の胡同を歩いていたら、突然大勢の人に囲まれたワケ

 発展が目覚ましい北京ですが、昔ながらの姿を残す胡同(フートン、中心街に残る細い路地)も数多く存在します。

古きよき中国の町並みを残す北京の胡同。少し先には、近代的な高層ビルや巨大な国立劇場がそびえ立っているのが分かる(画像クリックで拡大)

 ある日、胡同をぶらぶら歩きながら撮影していると、突然大勢の地元住民が僕を包囲! しかも、中国語で(って当たり前なのだが)何か話しかけてくるではありませんか! いったい何なんだ!?

 気持ちを落ち着かせて状況を確認してみると、どうも何を撮っているのか興味がある様子。そうに違いない、頼むそうであってくれ…と思いつつ、デジタル一眼レフカメラで撮ったばかりの画像を背面の液晶モニターで見せてみたところ、何とバカウケ。別におもしろいものを撮ったわけではなく、そのへんの路地を撮っていただけなんですけどね。

 彼らの仕草から想像するに、「おい、お前も撮ってもらえよ」「そういうお前こそ」と思われる会話がなされ、僕は住民たちを撮影。その画像を見せると、またバカウケ…。そんなやり取りがあちこちで続くようになりました。

北京市内の大通りや環状道路は、両側にずらりと高層ビルが立ち並んでいるものの、中心部はこのようなのどかな雰囲気が。小さな子どもに出会うと、ほぼ例外なくパパかママによって強制的に撮影させられます。で、これがまたみんないい表情をするんだなぁ…。奥に車が写っていますが、胡同に駐車場はなく、マイカーは基本的に路駐。たまに、町の雰囲気とミスマッチな高級車がデーンと鎮座しています。北京では、早くから中国へ進出したアウディやシトロエン、プジョーをよく見かけますが、もちろん日本車も多数派。胡同では「快速王子」(日本名はスズキ「アルト」)とよくすれ違います。胡同の狭い道でも“快速”で…!(EOS-1D MarkIII+EF16-35mm F2.8L USM使用、ISO200、1/200秒、F5.6)(画像クリックで拡大)