定年を迎える夫婦の終の住処を想定した、築23年の建売住宅の全面リフォームだ。

 リフォームの課題は大きく2つあった。一つは、2000年に改正された建築基準法の耐震基準を満たすこと。もう一つは、採光と通風が悪いという、住宅密集地に建つが故の問題点の解消だ。

 双方の課題を一挙に解決したのは、大断面の柱梁を門形やロの字形に組んで金物などでつなぐ“耐震フレーム”だ。耐震補強というと耐力壁を増やすのが一般的だが、フレームを使うこの方法なら、部屋を仕切ったり、窓をふさいだりせず補強できる。

 住宅の柱を残し、スケルトンに近い状態にまで解体してリフォームをスタート。家全体の耐震性能を高めるため、耐震フレームは、1階のほぼ中央と1、2階の西側の窓、玄関付近などに取り付けた。

 解体作業中に発見した、筋交いや通し柱の欠損部分の修繕も行った。

 一連の工事で、空間の広がりを保つだけでなく、西側の窓を広げることが可能になり、採光や通風を改善できた。

 外壁には、断熱材を壁の外側に追加する外張り断熱工法を採用し、次世代省エネ基準をクリアしている。

After 2階の窓を間口一杯まで広げた。2階のバルコニーを取り外し、1階と2階の窓の位置をそろえて、モダンな印象に再生した(写真と図面提供:ホームトピア)(画像クリックで拡大)

Before 2階のバルコニーが採光面積を狭めていた。サイディングの汚れも目立つ(画像クリックで拡大)

リビングからダイニング方向を見る。天井に見えている梁が耐震フレーム(画像クリックで拡大)

After 1階のリビング。正面に耐震フレームをいれて補強している。正面の窓は天井付近まで伸ばし、右に少し移動させた(画像クリックで拡大)

Before 上の写真のリフォーム前の状態。コーナーが連続窓になっていたため、耐震強度を落としていた(画像クリックで拡大)

大断面の柱梁が耐震フレーム(画像クリックで拡大)

(文/介川亜紀)

リフォーム前の図面(画像クリックで拡大)

リフォーム後の図面(画像クリックで拡大)

【リフォーム概要】
所在地/東京都 構造/木造軸組 築年数/23年 該当工事面積/89m2 該当部分工事費/1100万円 設計/ホームトピア(担当:菅井弘和) 施工/同(担当:中村光)