無表情な女の子たちが黒髪を揺らして踊り続けるWeb上の時計「ユニクロック」。新しい形の広告として高い評価を受け、カンヌ国際広告祭での二部門制覇をはじめ、世界三大広告祭でグランプリを獲得した。

 前回はユニクロ(ファーストリテイリング)側の責任者である勝部健太郎氏にお話を伺った。今回はユニクロックのデザインなどを統括したクリエイティブディレクター田中耕一郎氏にユニクロックの発想の原点などをお聞きした。

田中耕一郎(たなか こういちろう)

クリエイティブディレクター、projector代表取締役
1973年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。広告制作会社TYOを経て、2004年にProjectorを設立。CUPNOODLE FREEDOM PROJECT、BEYES表参道ヒルズ店インタラクティブインスタレーションなど、独創的なインタラクティブプロジェクトで広く注目を集める。
「ユニクロック」で世界三大広告賞のカンヌ国際広告祭、The One Show、CLIO AWARDSでグランプリを受賞。東京インタラクティブ・アド・アワード、など、国内の広告賞受賞歴も多数。 (画像クリックで拡大)

ユニクロック(UNIQLOCK)とは

 「ユニクロック」は、2007年6月に夏の“ドライ”商品のプロモーションを目的としてWebサイトとしてWebサイトがまず立ち上がった。このサイトは、「MUSIC×DANCE×CLOCK」という「言語の壁を越えたコミュニケーション」をコンセプトとしており、無表情に淡々と踊る女性と時刻が交互に表示される映像が話題となり、同じ映像が表示されるブログパーツやスクリーンセイバーの配信が始まった。加えてブログパーツを貼り付けたユーザー数やユーザーの所在地が世界地地図上で表示されるWebサイト「ワールドユニクロック」も公開された。

「ユニクロック」(画像クリックで拡大)

 その後、07年10月には第2弾「カシミヤ編」を配信。この時点でブログパーツの設置数は世界66カ国約1万3000個にも上っていた。第3弾「20 COLOR T編」の配信は08年4月。この第3弾では携帯電話や「MySpace」などのSNSにも対応を果たした。

 08年6月には世界三大広告賞の一つである「カンヌ国際広告祭」のチタニウム部門とサイバー部門でグランプリを獲得した。“CLIO AWARDS”のインタラクティブ部門と“One Show”のインタラクティブ部門でのグランプリを合わせて、世界三大広告賞を制覇。最新版は、iPhoneにも対応した第4弾「ヒートテック編」。08年10月22日時点で、ユニクロックのサイトは世界214カ国で1億7000万PVを記録。ブログパーツは87カ国、5万2000個以上が稼動している。

ブログパーツ(画像クリックで拡大)

iPhoneにも対応した(画像クリックで拡大)