無表情な女の子たちが黒髪を揺らして踊り続けるWeb上の時計「ユニクロック(UNIQLOCK)」をご存知だろうか? いわずと知れた衣料品メーカー「ユニクロ」が作った広告で、「ブログパーツ」としてブログに貼り付けることもできる。音楽とシンクロしたキレのあるダンスに不思議な吸引力があり、「目を離せなくなる」「ずっと見続けてしまう」「中毒性がある」と話題に。時計として優秀なこともあって、ネット上であっという間に広まった。

 このユニクロックに魅せられたのは海外の人も同じ。「ワールドユニクロック」で世界中のユーザーの分布が分かるなど意識的に仕掛けたこともあり、ユニクロの知名度が高いとはいえない国々にもユニクロックは浸透。「ユニクロ」というブランドの存在を知らしめることにもつながった。

 その結果、ユニクロックは新しい形の広告として高い評価を受け、カンヌ国際広告祭での二部門制覇をはじめ、世界三大広告祭でグランプリを獲得。これは日本人としては初の快挙だ。

 なぜユニクロックは国内だけでなく、海外の人々も夢中にさせたのか? ユニクロックの生みの親である、ファーストリテイリング グローバルコミュニケーション部の勝部健太郎氏に聞いた。

勝部 健太郎(かつべ けんたろう)

ファーストリテイリング
グローバルコミュニケーション部
部長 クリエイティブ・マネジメントディレクター
1974年東京都生まれ。1998年、慶應義塾大学経済学部卒。金融機関、外資系自動車メーカーでマーケティングを担当。2005年11月ファーストリテイリング入社、現在に至る。「UNIQLOCK」をはじめ「UNIQLO TRY」「UNIQLO MEETS CORTEO」「UNIQLO SHOW WINDOW」などを手がける。 Cannes Cyber Lions、Canne Titanium、NY One Show Interactive、Clio、NY ADC、D & ADなどでグランプリ(最高賞)受賞多数。 (画像クリックで拡大)

ユニクロック(UNIQLOCK)とは

 「ユニクロック」は、2007年6月に夏の“ドライ”商品のプロモーションを目的としてWebサイトがまず立ち上がった。このサイトは、「MUSIC×DANCE×CLOCK」という「言語の壁を越えたコミュニケーション」をコンセプトとしており、無表情に淡々と踊る女性と時刻が交互に表示される映像が話題となり、同じ映像が表示されるブログパーツやスクリーンセイバーの配信が始まった。加えてブログパーツを貼り付けたユーザー数やユーザーの所在地が世界地地図上で表示されるWebサイト「ワールドユニクロック」も公開された。

「ユニクロック」(画像クリックで拡大)

 その後、07年10月には第2弾「カシミヤ編」を配信。この時点でブログパーツの設置数は世界66カ国約1万3000個にも上っていた。第3弾「20 COLOR T編」の配信は08年4月。この第3弾では携帯電話や「MySpace」などのSNSにも対応を果たした。

 08年6月には世界三大広告賞の一つである「カンヌ国際広告祭」のチタニウム部門とサイバー部門でグランプリを獲得した。“CLIO AWARDS”のインタラクティブ部門と“One Show”のインタラクティブ部門でのグランプリを合わせて、世界三大広告賞を制覇。最新版は、iPhoneにも対応した第4弾「ヒートテック編」。08年10月22日時点で、ユニクロックのサイトは世界214カ国で1億7000万PVを記録。ブログパーツは87カ国、5万2000個以上が稼動している。

ユニクロックのサイト
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/

ブログパーツ(画像クリックで拡大)

iPhoneにも対応した(画像クリックで拡大)