築29年の鉄骨造の中古ビルをリフォームした事例だ。ポイントは、「増築」ではなく「減築」。吹き抜けを3カ所に設け、延べ面積を当初の142m2から99m2に減らすことで、日当たりと風通しの悪さを解決した。

 建て主は、街の中心部に住むことを望んでおり、街中に点々と残る古いビルにも魅力を感じていた。3年間物件を探し続け、構造がしっかりしていて、平面図などの設計図書がきちんと残っているこのビルにようやく巡り合い、購入してリフォームすることを決めた。

 中古ビルの室内は、周囲に中高層のビルが隣接して、十分な採光、通風を得られない状況だった。メーンストリートに面した西側に窓を設けていたが、騒音がひどい上、西日が強くて暑いという問題点も抱えていた。

 設計を担当したK16DesignFactoryの髙田憲一郎さんは、採光を改善するため、屋上のペントハウスを撤去してトップライトを設けた。さらに、2階から上は不要な床を吹き抜けに変更して、トップライトからの光が1階のガレージまで届くようにプランニングした。

1階のガレージから2階を見上げる。トップライトからの光がここまで届く。写真右の鉄骨のブレースが耐震補強した部分(写真と図面提供:K16 Design Factory)(画像クリックで拡大)

2階のキッチン付近からスペース1を見る。正面の西側外壁には小窓をランダムに散りばめ、西日と騒音をカットした(画像クリックで拡大)

Before 2階のダイニングキッチンから、東側を見る。東側は建物に隣接しているため、カーテンを閉め切りにしなければならず、常に暗かった(画像クリックで拡大)

Before  4階の東側和室から、西日の強い西側を見る。屋上のペントハウスから雨漏りもあった(画像クリックで拡大)