ところで、みなさんは「防水」の定義がどのようなものかご存じだろうか?

 防水の規格は、国内においてはおなじみ「JIS規格」で定められている。また、最近では防水を表すのに「IPX○」(○には数字が入ります)という表記が多く用いられており、それが何を意味するか分からない人も多いだろう。

防水の等級の見方を覚えよう

 「IP」とは「IEC(国際電気標準会議)」によって定められている防水・防塵の保護規格。IPに続く2ケタの数字の左側が「防塵等級」を、右側が「防水等級」を表している。例えば「IP56」という表記がある場合には、左側の“5”は防塵等級が“5級”を、右側の“6”は防水等級“6級”をクリアしているということを示している。

 IP規格で防水規格のみを表すときには、「IPX6」のように表記する。“X”は“防塵のテストをしていない”という意味で、つまりIPX6は“防水のみ6級”を表していることになる。

 そして、JISの防水規格とIECのIP規格がほぼ同一のため(実際には若干のズレがあるが“ほぼ”横並び)、以下示した表の最右列にある「JIS IPX6」のように、「JIS・IEC混成表記」でまとめて表記されることも多い。

■防水規格
JIS規格 保護の程度 IEC規格 JIS・IEC混成表記
保護等級 種類
8 水中形 継続的に水没しても内部に浸水しない IPX8 JIS IPX8
7 防浸形 一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない IPX7 JIS IPX7
6 耐水形 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない IPX6 JIS IPX6
5 防噴流形 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない IPX5 JIS IPX5
4 防沫形 あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない IPX4 JIS IPX4
3 防雨形 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない IPX3 JIS IPX3
2 防滴II形 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない IPX2 JIS IPX2
1 防滴I形 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない IPX1 JIS IPX1
0 無保護 特に保護されていない IPX0
防水規格はJISとIECともにほぼ同じ条件となっている。防水規格のみを表しているので、防塵等級は無視され、IECの表記はすべてIPの後ろが「X」となる。混成表記が用いられていることも少なくない

 防水規格はJISとIECともにほぼ同じ条件となっている。防水規格のみを表しているので、防塵等級は無視され、IECの表記はすべてIPの後ろが「X」となる。混成表記が用いられていることも少なくない

 この規格上、防水と防滴の境目はJIS2級と3級の間にある。つまり、防水と言えば保護等級3級以上を指す。

 そして、冒頭で登場した「生活防水」「完全防水」にも、規格的に明確化されてはいないものの、きちんと境目がある。それは、おおむね保護等級“4級未満”の防水機能が「生活防水」で、保護等級“5級以上”の防水機能が「完全防水」である。ただし、メーカーによって表記がまちまちなのも事実なので、保護等級が明記されていない「生活防水」「完全防水」表記が冠されているアイテムについては、その販売元に確認したほうがいいだろう。

 というわけで、本特集ではでデジタル製品を中心に広く「防水ギア」を取り上げるが、もちろんあくまで「防水」であり、申し訳ないが防滴などという“ヌルい”ギアには遠慮していただくこととする。そしてそんな防水ギアで、迫り来る夏を心おきなく楽しんでほしい。

(文/二瓶 朗)

続いて、この夏注目の「防水ケータイ」大集合!