ICレコーダーと全く同じ使用感でも使えて長時間駆動も魅力
三洋電機「DIPLY TALK ICR-PS1000M」

 三洋電機の2008年4月に発売した「DIPLY TALK ICR-PS1000M」は、ICレコーダー「DIPLY TALKシリーズ」で培ったノウハウを注ぎ込んだ、同社初の生録指向モデル。ただし生録指向を押し出しつつも、軽量コンパクトさや同社らしい「省電力設計」(同こんの単3形ニッケル水素充電池で約22時間の連続録音が可能)を追求するなど、従来のICレコーダーユーザーが違和感なく使えるモデルとなっている。本体サイズ約46.5×129.5×17.5mm、重さ約92gは本特集の中で最も軽量コンパクトなモデルの一つだ。

三洋電機が2008年4月に発売したリニアPCMレコーダー「DIPLY TALK ICR-PS1000M」(画像クリックで拡大)

 特筆すべきは、録音開始時の挙動だ。生録の場合、録音を行う前に入力レベルを調整しなければならない。そのため、録音ボタンを押すと録音一時停止状態になり、レベルメーターが動作してレベル調整ができるようになる。だが、一般的なICレコーダーの場合、録音ボタンを押すと同時に録音が開始される。ICレコーダー気分で使うと、「録音を開始したつもりなのに一時停止のままだった」ということになりかねない。

左側面にはヘッドホン端子のほか、ALC(オートレベルコントロール)機能のオン・オフスイッチ、マイク感度スイッチを備える。ALCをオンにすると、録音ボタンを押しただけで録音を開始するようになり、ICレコーダーと全く同じ使い勝手で利用できる(画像クリックで拡大)

右側面には電源ボタンやUSB端子、microSDカードスロット、外部マイク入力・ライン入力兼用端子を備える。消去や編集、フォルダー機能などを呼び出すボタンは、再生時にはセンテンス再生機能やインデックス登録、A-Bリピート再生などに使用できる(画像クリックで拡大)

 ICR-PS1000Mのいいところは、本特集7機種の中でこのモデルだけ、ALC(オートレベルコントロール)機能をオンにすると「録音ボタンを押すとすぐに録音開始」になる点だ。ALCオフの場合はほかの機種と同様、「録音ボタンを押すと録音一時停止状態」になる。モードによって動作が異なるのに違和感を感じる人もいるかもしれないが、「通常はICレコーダーとして使いながら、たまに生録機として使いたい」というICレコーダー・ユーザーには受け入れられやすいだろう。

 マイクは大口径・高感度X-Yマイクを採用し、録音レベルは60段階で調整可能。周波数帯域ごとに録音レベルを調整できる「5Bandグラフィックイコライザー(録音イコライザー)」機能のほか、リミッターやハイパスフィルター(ローカットフィルター)機能も備える。また、ポインティングデバイスとしても使える「指紋認証&タッチコントロールセンサー」を搭載しており、指紋登録による本体操作制限などのセキュリティー機能も備えている。

X-Yポジションの大口径・高感度X-Yマイクを搭載(画像クリックで拡大)

記録メディアはmicroSDカードを採用。背面には三脚取り付け穴を備える(画像クリックで拡大)

 再生機能も充実している。再生速度は50~200%までの可変で、指紋センサーで速度を自在にコントロールできる。ただし可変速度再生はPCM録音したファイルに対応していない。MP3形式でICレコーダーとして利用した場合に限られるのが残念なところだ。

ポインティングデバイスとしても使える「指紋認証&タッチコントロールセンサー」を搭載する(画像クリックで拡大)

付属の単3形充電池1本で22時間連続録音が可能なスタミナも魅力だ(画像クリックで拡大)

風による吹かれを防ぐウインドスクリーンも付属する(画像クリックで拡大)

 左右のボタンで設定した秒数だけ手軽に早送りや早戻しできる「タイムスキップ機能」も、会議録音などで該当個所にスキップしたい場合に便利だ。そのほか、ワンタッチで一定時間戻して再生できる「センテンス再生」も、語学学習などで便利に使える。

【結論】ICレコーダーユーザーが最も違和感なく使えるモデル。24bit/96kHzには対応していないが、いつでもカバンに忍ばせられる軽量コンパクトさと、単3電池で約22時間録音できるというスタミナは魅力だ。「ICレコーダーの使用感そのままで“生録機”にステップアップしたい」という人にオススメ。