秀逸なノートPC「VAIO type T VGN-TZ72B」。これをさらに、自分だけの“オンリーワン”にするためには、どんなことができるだろうか。PC好きなら誰もが思い浮かべるように、内部をカスタマイズする手がある。しかし、外に出て持ち歩く機会の多いモバイルノート。ここでは一つの方法として、PCをデコレーションする、つまり“デコ”するという選択肢をあえて提案したい。

 とは言うものの、使い古した中古ならともかく、新品のノートPCをあえてデコレーションするのは、かなり勇気がいるものだ。

京友禅作家・くりすたるあーとの考案者である林裕峰氏(画像クリックで拡大)

 今回編集部から託されたこのブラックに光るソニー「VAIO type T」を“デコ”るにあたり、筆者はたった一つの選択肢しか思いつかなかった。黒いボディーを生かすデザインで、新品のノートPCを、現状維持したままさらに美しくデコレーションできる技術を持っている人といえば、あの人しかいない。以前ケータイの装飾をお願いした、デジタル機器の“究極の塗装”を可能にした人物。元京友禅作家・くりすたるあーとの林裕峰代表だ。

 この「くりすたるあーと」という技法の特徴は、金粉や螺鈿(らでん)などの豪華な素材を使用し、京友禅の筆づかいで描いた図案を特別な樹脂で閉じ込めるというもの。考案者である林氏が、京友禅の帯を作る技法をモバイル機器に応用した。元々は帯の装飾にその樹脂で固めた押し花を取り入れたのがきっかけなのだという。

 この樹脂は弾力性があり、傷や指紋から本体を守る効果があるので、デジタル機器にはぴったりだ。さらに樹脂をはがして、まっさらの状態に戻すことも可能だという。施術の際は分解などの手間は必要なく、内部に樹脂が入り込んで本体を損傷させる心配もない。それどころか、自動車のボディー・コーティングのように、美しいまま保護してくれるのだ。

 そこで早速、都内某所の林氏の工房に新品のVAIO type Tを持ち込み、究極のノートPCデコレーションを依頼することにした。