『ガンダム』関連ゲームはPSP向けが増加
Xbox 360向けタイトルは現在デバッグ作業中

――『機動戦士ガンダム』シリーズのゲームの動きはどうでしょうか。これまでは『ガンダム』がゲームビジネスのひとつの大きな柱でしたが、最近は大ヒットが見当たりません。

鵜之澤氏:最近の作品は全般的に、(50万本以上が確実だった、かつての売り上げ規模に比較すると)苦戦していると言えるかな。

 『ガンダム』関連のゲームは、(動作環境やキャラクターの描写などから)PS2時代に大きく花開いたもの。その流れからするとPS3でも「いける」と見ていたんだけど、ハードの立ち上げに時間がかかっているので、それほど本数が出ないため厳しい。

 じゃあ、海外はどうかというと、原作のアニメは欧米で浸透していないので、そっちに持っていっても、大きなビジネスにはならない。

 こんな感じで、新ハードへの対応や国・地域の条件がうまくそろわないので、今はPSP向けの国内展開に期待しているんです。例えば2月7日に発売した『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』もその1つ。もともとPSPは、PS2の延長線上にあるハード。PS2の環境を外に持ち出そうってコンセプトで、同じようなゲーム性であることに加えて、ネットワーク対戦も容易にできるところは『ガンダム』に合っている。

“ファースト”から“逆シャア”までのストーリーが楽しめるPSP向け『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』
(C)創通・サンライズ(画像クリックで拡大)

――中高生や大学生は、携帯ゲームについてはDSよりもPSPの方が主流のようですね。

鵜之澤氏:そうですね。個人的には、PS2の正当な“あるべき進化型”っていうのは、PSPなんじゃないかって思う。携帯型に変わって、ネットワーク機能が充実――詰まるところ、“ネットワークゲームができるPS2”なんじゃないかな。

 もちろん本当のPS2も通信ユニットを使えばネットにつながるんだけど、その手間を考えるとPSPの利便性の高さの比じゃないですよね。

 新型PSPになって、ゲーム性もPS2の後継ということが認知されてきたから、PS2向けのシリーズ展開には一番適していると思っている。だから、今後はうちから『ガンダム』に限らず、PSP向けタイトルは非常にたくさん出てきますよ(笑)。たぶん、DSの次にタイトル数が多いのはPSPになる。

 やはりゲームファンの中核を成す中高生、大学生が、最も親しむハードがPSPということになれば、そこにタイトルを出していくことは、順当な流れですよね。

――では次に、PS2向け『ガンダム無双Special』について聞かせてください。このタイトルの開発目的ですが、PS3版などの開発費回収の一環なのですか。

鵜之澤氏:いや、そういうネガティブなところの発想からスタートしたものではありませんよ。

 現状のゲームマーケットを見てもわかる通り、PS2の市場は堅調。それに、もともとPS2向けマーケットの部分を「完全に捨てていいのか」と、プロジェクト当初から悩んでいたんです。

 とはいえ、当初の開発態勢はマルチではなかったので、すぐにPS2版を出すわけにはいかなかった。ただ、開発の現場に確認したら、移植は可能だし、PS3でやっていたことを、(HD映像ではないが)PS2でも再現できそうだということで、PS3版の発売直後から開発に着手したわけです。

 コーエーさんにしても、うちにしても、『ガンダム』と『無双』という両ブランドの合わせ技を使えば、PS2向け市場で100万本のポテンシャルはあるじゃないかって見ているんです。

 だから、現状のPS3向け約30万本と、Xbox 360で5万~6万本という実績からすると、あと65万人のユーザーが待っていてくれるのかなって――。でも、現実は、そんなに甘くはないだろうけどね。まずは初回出荷が20万本程度ですよ。

武者ガンダムで無双シリーズの爽快感を味わえるPS2向け『ガンダム無双Special』
(C)創通・サンライズ(画像クリックで拡大)

――ガンダムファンの中には、PS2であれば購入する層が確実にいるでしょうね。

鵜之澤氏:できれば、2007年3月にマルチプラットフォーム対応ということで、すべてのハード向けに同時発売した方が良かったタイトルなのかもしれないですね。

――ちなみに、コナミの『ワールドサッカー ウイニングイレブン 2008』はマルチですね。

鵜之澤氏:そうですね。コナミさんの数字を見ても、やっぱり現在の状況では、まだPS2が一番本数が出るハードじゃないですか。現実は、こういう状況なんですよね。

――とはいえ、PS3向け『ガンダム無双』の当時の発表会などでは、PS3のハード需要のけん引役を、このタイトルが背負っていたように感じます。

鵜之澤氏:あの当時は、確かにその役割があった。なぜなら、それまでPS2で“商売”をやってきたサードパーティが一番望んでいたのは、PS3が順調に立ち上がって、今まで以上のマーケットを形成してくれることだから。

 それに、HD機として先に登場したXbox 360が苦戦していたわけだから、PS3のローンチが失敗しては困るという考えもあったと思う。結局、立ち上がりは厳しかったんですけどね。

――Xbox 360向けにリリースが発表されている『ガンダム オペレーショントロイ』については、発売時期の延期が続いています。Xbox 360の普及も影響あるのかもしれませんが、こちらについてはどうでしょう。

鵜之澤氏:うわっ、すいません。これは毎年年初には夏頃には完成って言っているけど、3年目に入ってしまいました。まあ、今年も夏までにはということで(笑)。

 冗談はさておき、現在はすでにデバッグも始まっています。ご安心ください。