バンダイとナムコが経営統合して生まれたゲーム会社、バンダイナムコゲームス。

 新会社としての歩みは今春から3年目に入る。この間、『ガンダム』シリーズや『リッジレーサー』シリーズなど、それぞれの看板タイトルもリリースする一方、統合の効果が見える全く新しいタイトルも登場し始めた。

 前回に引き続き同社の鵜之澤伸副社長に、今後の展開を聞いた。(聞き手:中村 均)

プレイステーション3とXbox 360の普及はいずれも“もったいない”がキーワードに

――PS3のハードウエアの普及についてはどう見ていますか。

バンダイナムコゲームスの鵜之澤副社長

鵜之澤氏:今は順調なんじゃないですか。当初、バタついていた部分が落ち着いて、着実に売れている感じがありますよね。20GBと60GBの生産を終了して、PS2との互換性がない40GB版に統一すると発表したら、それらの在庫を奪い合う動きもあったし。

 それと、新型PSPの登場で“パーン”と、それまでの市場の流れが変わるというのを実際に見ているから、PS3もその可能性はあるはず。

 正直なところ、ローンチでつまずいたから、ユーザーの多くは買い時をちょっと逃してしまった感がある。メディアの騒ぎ方もそれに拍車をかけたし。「今、買っちゃいけないんじゃないの」とか、「もうちょっと待て」みたいな感じでね。

 心理的な部分が買い控えの要素の1つだから、次に効果的な一手を繰り出せば、状況は大きく変わるような気がしますよ。それにPS3のメディアは「ブルーレイディスク」でしょ。(HD-DVDとの規格争いが終結したことからも)この部分でも強みが発揮できると思います。なにしろ、2007年末のブルーレイレコーダの売れ行きはすごかったからね。量販店では、パナソニック製品の完売に引き続き、ソニー製品までも品切れで、入荷は1月中旬以降という話だったでしょ。

――年末の売れ行きは家電関係者の予想を超えたものだったようですね。

鵜之澤氏:それは予想以上の需要でしょ。在庫切らしたわけだから。おそらく、昨年(の年末商戦)対比で見たら、異常値としか見えない比率で、ブルーレイへのシフトが起きたんじゃないかな。こういう動きが急激に起きることからすると、PS3もきっかけさえあれば、売れていっちゃうんだろうなって思いますよね。今後は、市販される映画などの映像パッケージ商品も、すべてブルーレイにシフトしていくわけだし。

 ちょっと前までは、ほとんどの人がブルーレイって何なのかわからなかったと思うんですよ。「DVDとどこが違うんだ? 確かに箱は青いけど」って(笑)。大画面のテレビで見ないと、再生映像の美しさもわからないし、従来のDVDでもブラウン管のテレビなら十分きれいでしたからね。

――年末のブルーレイレコーダ需要が盛り上がったきっかけは何だったと思いますか。

鵜之澤氏:あれは、矢沢さん(矢沢永吉)のCMが効いたんじゃないかなと思っているんですよ。「テレビはハイビジョンなのに、DVDだとハイビジョンにならないの? もったいない……」ってやつね。一般の人に分かりやすいメッセージだったと思う。

 僕は、新しいAV機器などに興味がある方なんで、“新世代DVDレコーダの買い時はいつかな”って、家電売り場をよく歩いていたんだけど、あのCMの後からブルーレイレコーダを扱う売り場の雰囲気や、人の流れが大きく変わったのを肌で感じましたよ。

――薄型ハイビジョンテレビもかなり値ごろ感が出てきたので、買い替えも進んだことが、レコーダへの興味を増やしたんでしょうね。

鵜之澤氏:テレビ買い替えが進んだから、次は何かということで……。でも、そのきっかけは、やはり矢沢さんのCMのメッセージじゃないかな。矢沢永吉さんというキャラクターは、年齢からいってもテクノロジーの最先端に触れている世代ではないですよね。ファンも、同世代が中心で、まあ中年以上が中心だよね。

 そんな矢沢さんが、「ハイビジョンのテレビでDVDを見るのって、実はハイビジョン映像で見てないんだよ」ってやると、矢沢さんの歌を聴いて育った世代の心には、ぐさっと突き刺さるんだと思うんですよ。「DVDってハイビジョンじゃなかったんだ。俺たちも買い換えないとまずいな」ってね。そういう意味では、矢沢さんはPS3のCMにも出てくればいいんじゃないかな。

――じゃあ、矢沢永吉が「ハイビジョンのテレビで、ハイビジョンじゃないゲームやっているの? もったいない」とやればいい?

鵜之澤氏:そうそう(笑)。個人的には、矢沢さんが発したメッセージが“キー”のような気がするんですよ。

――同じハイビジョンのゲーム機であるXbox 360はどう見ていますか?

鵜之澤氏:PS3とは別の意味で“もったいない”よね。うちの『エースコンバット6』を2007年11月にリリースした際に、一部の店舗でハードが品切れになったし、アクティビジョンさんが、2007年12月27日に出した『コール オブ デューティ4』でも、その需要にハード供給が追いついていない感じでしたから。

 『コール オブ デューティ4』はPS3とのマルチだから、ハードがなければPS3版を買うことになるよね。こういうのもチャンスロス。もったいない。

――そのXbox 360向けでは、シリーズ第2弾の『アイドルマスター ライブフォーユー!』の人気が高いようですね。

鵜之澤氏:固定ファンが支持してくれているようですね。今回は、DVDがついている限定版の方が7万本出荷で、通常版は1万本ちょっと、というところからのスタート。これまでの経験からすると、こういったコアファン向けの作品は、発売日に合わせて限定版を購入してもらえるケースが多いですね。ちなみにPSPの『涼宮ハルヒ』も似た動きで、限定版6万、通常版3万からスタートして、その後のリピートで通常版も6万を超えました。

オンラインビジネスの可能性を広げた『アイマス』シリーズ第2弾『アイドルマスター ライブフォーユー!』
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