東京駅ではあら煮や目玉焼きが“回る”
マクドナルドは「2つのソトアサ族」に対応

「うず潮」の回転朝食(画像クリックで拡大)

 午前7時、JR東京駅。丸の内北口改札からすぐのフードエリア「ダイニングコート」のシャッターが上がるや、10数人の“ソトアサ族”が、吸い込まれるように入っていく。「回転朝食」ののぼりが目を引く回転寿司店「うず潮」は、毎朝開店からわずか10分足らずで、50席弱の座席が埋まってしまう。お目当ては午前7時から午前9時半の間だけ食べられる朝食だ。

 レジで500円を払って席に着くと、ご飯とみそ汁と味付け海苔が運ばれてくる。目の前のレーンには、焼き魚、目玉焼き、納豆、煮物、冷や奴といったおかずが乗った皿が店内をぐるぐる回っている。この中から3品を選んで食べるというシステムだ。「客の回転は速く、2時間半のモーニングタイムに毎日350〜400人が来店する。固定客も多く、中心は30代から50代のサラリーマンだが、近ごろは女性も増えてきた」(ジェイアール東日本フードビジネス 販促・宣伝部次長の西田直紀氏)という。

 共働き家庭の増加に加え、健康志向から「朝食はしっかり」というニーズが高まり、朝ごはんを自宅外で食べる“ソトアサ族”が目立つようになった。これを受けて、ファミリーレストランやカフェチェーン、ファストフード、駅構内にある“エキナカ”レストランなどが、こぞって朝食専用メニューを強化している。

 自宅外での朝食といえば、マクドナルドの「朝マック」が古くからの定番。日本マクドナルドが朝食メニュー「朝マック」を提唱したのは、まだ朝食を外で食べる習慣などなかった1985年。マフィンやホットケーキなど、朝食に適した軽めのメニューが人気となり、朝マックを展開する店舗網を年々拡充。現在は3800店のうち、2300店舗で展開している。

 その“元祖ソトアサ”マクドナルドでは、1月15日からメキシコ料理のトルティーヤで具材を包んだ「マックラップ」の朝食専用商品「マックラップ ベーコンレタスエッグ」「マックラップ サラダマリネ」の販売を始めた。軽いボリュームの片手で食べられるラップサンドで、手を汚さずに食べられることが特徴。仕事をしながら食事をするシーンを想定しているという。一方、昨年発売した「マックグリドル」も人気が高い。これはメープルシロップ入りのパンケーキに、ソーセージやチーズ、卵をはさみ込んだパンケーキサンド。メープルシロップの甘みとソーセージなどの塩味が同時に口の中に広がるという新しい味わいだ。

左が「マックラップ ベーコンレタスエッグ」、右が「マックラップ サラダマリネ」(画像クリックで拡大)

 同社ファミリーマーケティング&プロモーション部マネジャーの平川健次郎氏によると、この2つの朝マックメニューはまったく別の層に向けたものであるという。「ソトアサ市場には、朝食を外で簡単に効率的に済ませたいというニーズと、ゆっくり時間をかけて食べることでより充実した1日の始まりを演出したいというニーズの2つがある」。マックラップは軽い味わいで食べやすく、新聞を読む、メールをチェックするなど、ほかのことをしながらでも食べられるようにすることで、短い時間で効率的に食事がしたいというニーズに応える。マックグリドルは、それまでの朝食メニューでは飽き足りない層に向けた商品で、自分なりの朝の演出がしたいというニーズに応えるメニューというわけだ。