リメイク作『ドラクエIV』はミリオン超えを意識
シリーズ新作『ドラクエIX』の呼び水の役割を期待

――では次に、スクウェア・エニックスとしてのビジネスについて聞かせてください。この年末年始商戦では、ニンテンドーDS向けにリメイクした『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』が、早期にミリオン出荷(109万本)を達成しました。これは予想通りの展開ですか。

和田氏:そうですね。リメイクなのであまり大きな顔はできませんが、中身はしっかり作ってあるので、ゲームの出来に見合った売り上げだと言えるでしょう。ただ、DS『ドラクエIV』については、今後のシリーズ新作の展開もありますから、当初からミリオンという数字を意識していました。逆にこれを超えないと意味がないと。また、常々言っているように、DSというハードでサードパーティの出す主要タイトルが、しっかりと売れることはゲーム業界全体にとっても意味があります。これらの点で、『ドラクエIV』は、その役割を果たせたと思います。

 一方、この商戦ではDSだけではなく、新型PSPにも勢いがあるのが特徴でした。うちの『クライシス コア -ファイナルファンタジー(FF)VII-』も、50万本はすっと超えて77万本以上のヒットとなりました。このように携帯型ゲーム機向けソフトに勢いがありましたね。

――DS向けに作られる新作『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』は当初2007年の発売予定でした。リメイク作を先行させて、『ドラクエIX』は後回しにしたのは、新作投入の前に旧作で、ある程度の売り上げが確保できると見込んだからですか。

和田氏:それは違います。結果論です。我々の中では「もうちょっと『ドラクエIX』はもんだ方がいい」という意見がクリエーティブサイドでありました。と同時に、ビジネス的な観点からすれば、もう1つ、2つ(ドラクエ・シリーズを市場に)仕込んでおいた方が、新作の“発射台”はさらに高くなることも考えられました。

 これらのことから総合的な判断で、「それならばリメイクを先行させる一方で、『ドラクエIX』はゲームデザインを洗練させていきましょう」という結論になったわけです。

 この基本路線は数カ月前に決めたことですが、もしも予想以上に早く、「もう『ドラクエIX』の仕上がりは完璧」という話になれば、2007年度内に発売という話もなくはなかった。さすがに今のタイミング(取材時点は2008年1月中旬)では今年度という話はないですが、実はギリギリまで現場とのやりとりの中で考えていたんです。

――今後もドラクエ・シリーズのDSでのリメイクは2008年春発売予定の『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』と続きますが、順当に行けばリメイクのシリーズをひと通り先に発売して、その後に新作『ドラクエIX』という予定ですか。

和田氏:いや、そうではありません。先ほど説明した通り、年末に『ドラクエIV』を出して、3月に『ドラクエIX』を出すという選択肢もあったわけですからね。いちがいに“リメイク先行”という考えで進めてはいません。

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年末年始商戦では携帯ゲーム向けソフトが大ヒット。ニンテンドーDS向けではリメイク作の『ドラゴンクエストIV』(左)が。一方、PSPでは『クライシス コア-ファイナルファンタジーVII-』が躍進