携帯音楽プレーヤー市場における主導権を握っているのは、言うまでもなくアップルの「iPod」シリーズだ。ほかのメーカーもiPodのシリーズラインアップに対抗する形で製品開発を進めるので、結局アップルの繰り出す製品がそのまま携帯音楽プレーヤーの商品セグメントとなっている。

 だからiPodシリーズを説明すると、ある程度、携帯音楽プレーヤー市場の説明は付いてしまうのだ。そこで全4シリーズで展開しているiPodにまずフォーカスを当てて市場を俯瞰し、携帯音楽プレーヤーの選択ポイントをチェックしていきたいと思う。

 携帯音楽プレーヤー市場の面白いところは、まったく価格競争にはなっていないところだ。圧倒的なシェアを持つアップルに対し、それ以外のメーカーは部品調達力でかなわないからだ。

 そこでアップル以外のライバル各社は、容量と価格が同じなら、必ずiPodにはない付加機能で上回るという、分かりやすいアピールポイントを設定している。また、家電量販店では一般的にアップル製品のポイント還元率は低いため、実質的にiPodより高機能なモデルがより安く手に入ることもある。狙い目があるとすればそこだろう。

iPodシリーズのモデル構成

 では実際の製品を見ていこう。まず市場でのダントツ人気は「iPod nano」で、このモデルを中心に携帯音楽プレーヤー市場も動いている。4GBモデルの実売価格は1万7800円、8GBで2万3800円。フラッシュメモリー内蔵型で薄く軽い。昨年のモデルチェンジでカラー液晶を搭載し動画再生に対応したため、それがこのクラスの標準的スペックになりつつある。

 HDD内蔵の「iPod classic」も大容量を求めるユーザーには根強い人気がある。フラッシュメモリー型に比べて大きく重いが、80GBで2万9800円と容量対価格比ではもっともリーズナブル。このクラスでは一部の例外を除き、カラー液晶と動画再生機能はあって当たり前ということになる。

 ローエンドを押さえるのは「iPod shuffle」。1GBで9800円と手ごろな価格と小型軽量がウリ。iPod shuffleは液晶を省略し、大幅な小型化とコストダウンを図ったが、他メーカーはそれでは売りにくいのか、曲名やアーティスト名を数行程度表示する小型液晶の付きが主流。このクラスの製品もカラー液晶化は進んでいるが、動画再生機能はない。しかし逆に音楽だけが聴きたいユーザーには、リーズナブルなクラスということになる。

 そして最先端のワイアレス端末「iPod touch」。今のところ直接対抗する機種はないが、動画再生重視の大画面プレーヤーとして見るなら、ワンセグチューナーを内蔵した国内メーカーの製品と比較できる。価格は3~5万円程度で、画面は3~4型が主流。画面が大きくなるほど電力消費も増え、バッテリーも大型化するため、プレーヤーはどうしても大きく重くなる。携帯性との折り合いをどう付けるかが、このクラスを選ぶ際のポイント。