モバゲーに体験登録!ナンパメールが続々届く

 子どもたちの携帯電話のネット利用について、前回の群馬大学・下田教授のインタビュー(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20071205/1005039/)を受けて、取材班は小学校5年生の女子(筆者の娘)と一緒に、ケータイゲーム&SNSサイト「モバゲータウン」に登録してみることにした。813万人(11月末)もの会員を擁する巨大サイトであり、そのコミュニティ機能が学校裏サイトに使われる場合もあると指摘されるサイトである。

ケータイゲーム&SNSサイト「モバゲータウン」は2007年11月末時点で813万人もの会員を持つ巨大サイトだ(画像クリックで拡大)

 登録までに個人プロフィールを記入するなどのいくつかのステップがあるが、ケータイ入力に慣れている娘は難なくこなしていく。モバゲーの場合、一度登録したプロフィールはケータイ機種を変更しないと変更できない設定になってはいるが、プロフィールの真偽を確認する手法はないから、やろうと思えば、なりすましも簡単だ(※なりすましは禁止されている)。

 登録して1時間もたたないうちに、モバゲー内部でメールのやりとりができる「ミニメール」に、他ユーザーからのメールがきた。内容はハッキリとしたナンパ。11歳の女の子に対して、美容師と名乗る青年から「タダでメイクとかヘアカットでキレイキレイしてあげるから」大至急この番号に電話せよ、という内容である。それから夜半をすぎるまで約4時間の間に、さまざまなユーザーからメールが送られてくること約30通。あらかたは友人希望や、自分の小説を読んでね、という内容で、娘とバトンタッチして小学生らしく応対してみたが、やりとりした中の数人は「どこに住んでるの?」「リアルで会おう」といったアブナイ内容になっていく。カワイらしく「ナィショT=〃ぉ~」(ナイショだよというような意味のギャル文字)などと返信しながら、はたして小学生相手に何をしようというのか聞きたい気分に……。

 コミュニティたるや、ナマな書き込みがあふれているし、読んでねと言ってきたユーザーが創作した小説には、バトル・ロワイアルも真っ青な虐殺小説やワイセツ内容のものも多い。モバゲーのアバターを装飾するのに必要なモバゴールド(モバG)を入手するため、別サイトにURL登録を促す仕組みもあり、その結果どうなるかを小学生に推し量れというのは、かなりの無理があるように感じる。やりとりを一方的にやめると、返事しない相手を責めるメールが届く。小5の娘を持つ親としては、果てしなく暗澹たる気分になった……。

 こういった現状に対して、12月11日には「健全性維持に向けた取り組み」(※1)を発表するなど、モバゲー側も対策に苦しんでいる様子がみえる。だが、この取り組みの一つとして、12月20日から「18歳未満のミニメールを大幅に制限――ユーザの年齢前後2歳までの送受信のみに制限」が始まったとたん、規制によって同年代しかメールできなくなったユーザーが新しい友人を求める動きなのか、また活発に大量の「ミニメール」が届きはじめた。この中に、新しい機種で登録し直した悪意あるなりすましの大人がまじっていても、識別する術はない。

(※編集部注)  モバゲータウンは12月20日午後から、13歳未満の登録者についてミニメールの利用ができないようシステム変更しています。上記内容は20日午前に執筆されているため、実際にはシステム変更直前に「駆け込みメール」が集中した状態を記述しています。なお、モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーによると、現在は13歳未満の登録者へのミニメールは完全に停止されています。

 また、原因は特定できていないが、この実験の1週間後から、この携帯あてに、これまで一通もきたことがなかった「××万円当選しております!」といった内容のワンクリック詐欺メールが、毎日、届くようになったことも書き添えておく。受信拒否を設定すれば届かなくなるが、そういった設定のやり方や、ワンクリック詐欺についての正しい対処知識を、どれだけの小・中学生がもっているだろうか。

※1
「健全性維持に向けた取り組み」

http://blog.dena.ne.jp/press/archives/2007/12/dena_5.html

 このモバゲーの「健全性維持に向けた取り組み」は、2007年12月10日に総務省が携帯電話事業者に対して、フィルタリングサービスの導入促進を要請(※2)したことにも沿う動きだ。各事業者は総務省の要請に答えて「有害サイトの閲覧制限、未成年者は原則加入」(※3)という方式を打ち出したが、携帯電話のフィルタリングが強化されると、モバゲーは原則アクセスできなくなるからだ。その仕組みは本サイト掲載の記事「総務省要請の未成年フィルタリング自動適用で『ケータイ文化』が崩壊する?(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20071217/1005442/)」に詳しい。

※2
「青少年が使用する携帯電話・PHSにおける有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の導入促進に関する携帯電話事業者等への要請」
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/071210_4.html

※3
本サイト掲載のニュース記事
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20071211/1005256/
社団法人電気通信事業者協会のリリース
http://www.tca.or.jp/japan/news/071210.html