イジメの温床、誹謗中傷のるつぼ、暴力のきっかけ……、学校裏サイトにまつわる負のイメージは強烈だ。11月15日に発表された文部科学省の「平成18年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(※1)の中でも、「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」という項目に4883件(3.9%)という数字があげられていたが、そんなに少ないはずはない。だが、相変わらずその実態は大人にとって闇の中だ。

 今年4月に「デジタルARENA」(現・日経トレンディネット)に掲載され、多大な反響を呼んだこの記事(「学校裏サイトで、今何が行われているのか」)からも、簡単には解決しそうにないさまざまな問題が読み取れる。深刻さは増しているのではないか。この半年で、どんな変化があったのか? 学校裏サイトの研究を続ける群馬大学 下田博次教授に、改めて子どもとケータイの現状を聞いた。

※1 平成18年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/11/07110710/001.htm

――記事が掲載されてから約半年。学校裏サイトや子どもとケータイの関係に変化はあったのでしょうか?

下田 博次(しもだ・ひろつぐ)
 群馬大学社会情報学部大学院研究科教授。専攻は情報メディア論、社会情報論。「インターネット時代のメディアリテラシー」などを研究テーマとしており、子どものケータイやインターネット利用問題に取り組むNPO団体青少年メディア研究協会(ねちずん村)の理事長も務めている。著書に『ケータイ・リテラシー~子どもたちの携帯電話・インターネットが危ない!』(NTT出版)など

下田氏 状況は激変しています。顕著な変化は、「学校裏サイト」と呼ばれる「実在の学校名をつけた、子供たち自身による発信」サイトが、全国的に減少していることです。もちろん、なくなってはいません。実数は調査中です。

 もう一つの変化は、ケータイサイトへの移行です。昨年までの我々の調査では、「学校裏サイト」というものは、パソコンからもケータイからも見られていたのですが、最近はケータイからしか見られないものが増えています。

 相変わらず実名をあげる書き込みは続いていますが、生徒だけではなく「先生の実名入りの誹謗中傷」も増えています。

 さらに、そこに親が匿名で入ってきて、子どもと一緒に先生を誹謗中傷する現象まで出てきています。その学校の親じゃないと知りようがない内容や文面で、子どもと一緒になって、特定の先生の誹謗中傷をしているんですよ。これは、今までにはなかったことです。中学校の校長など、当該の学校管理者からの訴えでハッキリしました。しかも、1件や2件ではありません。予見されていたことですが、モンスターペアレンツが掲示板やブログなどITを握ったわけですね。この傾向が強まると、非常にやっかいです……。