進化し続ける『顔認識』機能に注目

 最新モデルを一覧する前に、今期注目のトレンドを押さえておこう。まず、手ブレ補正や、高感度撮影などのブレ軽減機能は、依然デジタルカメラの重要トレンドであることは間違いない。しかし、これら機能は前シーズンと比べて進化ポイントが少なく、定番の機能であると言ってもいいところまで来た。もはやなくてはならない機能なのだ。

 一方、昨年から盛り上がってきている「顔認識」機能の進化は止まることを知らない。他モデルとの差異化のカギを握ると言ってもいい「顔認識」機能は、この秋冬モデルの最重要トレンドと見て間違いないだろう。

 顔認識機能とは、カメラが自動的に人物の顔を検出し、顔がキレイに写るようピントや明るさを最適に設定してくれる機能だ。機種によってはさらにフラッシュ光量や、ホワイトバランスを最適化するほか、赤目を補正してくれるものもある。

 今シーズン最も話題を集めた顔認識機能は、ソニーが新モデルに採用した「スマイルシャッター」だろう。人の笑顔を検出し、自動でシャッターを切ってくれる“笑顔検出”機能だ。子どもの笑顔などのシャッターチャンスを逃すことなく、自然に撮影できる画期的な機能として注目を浴びている。同社は、スマイルシャッターの活用法として子どもの笑顔はもちろん、セルフタイマーの代わりや、自分撮りなどを挙げている。笑顔の度合いによる検出レベルは強中弱の3段階で設定できるなど、自由度も高い。香椎由宇など、有名なタレントを起用したテレビCMを大量に放映しているため、既に聞き知っている人も多いだろう。他メーカーでは、唯一オリンパスイメージングの「μ1200」が、同様の機能である「スマイルショット」を搭載している。

スマイルシャッター機能を装備するソニー「Cyber-shot DSC-T200」。3.5型ワイドのタッチパネル液晶が特徴的なモデルだ(画像クリックで拡大) スマイルシャッター設定後、シャッターを押すと待機状態に入り、笑顔を検出しだいシャッターを切ってくれる。もう一度シャッターボタンを押せば、待機状態が解除される仕組みだ(画像クリックで拡大)

 顔の検出範囲が広がったメーカーも多い。従来は、横顔など顔の一部分しか見えない場合は検出能力が著しく落ちていた。しかし、富士フイルムの「FinePix F50fd」などでは、横顔の検出能力が向上し、ほぼ真横でも検出できるようになった。さらに、斜め方向に顔が傾いている場合も、検出範囲の拡大により、270度まで検出可能。ほぼ斜め下に傾いていても問題ない。カメラに正対していない人物でも、自然な表情を写真に収めることができるようになったのだ。

顔認識機能を他社に先駆けて搭載し、大々的にアピールしたのが富士フイルム。最新モデルである「FinePix F50fd」は、顔認識機能「顔キレイナビ」の精度を向上、横顔にも対応した。ブレ軽減対策もしっかり施されており、CCDシフト式手ブレ補正を搭載するほか、1回のシャッターで、フラッシュ有り無しの画像を連続して撮影できる「高感度2枚撮り機能」も搭載する(画像クリックで拡大) 顔の検出範囲が広がり、横向きや斜めに傾いていても検出できるようになった(画像クリックで拡大)

 他社の顔認識機能も負けてはいない。松下電器産業は今シーズンから顔認識を初搭載。顔認識搭載メーカーでは最後発組となるだけに、一工夫ある機能を載せてきた。顔認識機能を、自動的に「接写」や「風景」などのシーンを判別して最適なモードに設定してくれる「おまかせiAモード」内に搭載。オート化を推し進め、わざわざ顔認識モードに設定するわずらわしさがなくなった。さらに、同社の「LUMIX DMC-L10」は、デジタル一眼レフカメラで初めて顔認識機能を搭載しているのも見逃せない。

 検出時間の高速化をうたっているのはニコン。「顔認識AF2.0」と銘打ち高速化をアピールしている。キヤノンは、検出した複数の顔の中から主被写体となる顔を選択できる「顔セレクト」を搭載。複数の人物の顔を同時に撮影するときに便利な機能だ。面白いところでは、カシオ計算機の「EXILIM ZOOM EX-Z1200」の機能だろう。あらかじめ特定の人物の顔を登録しておけば、集合写真の撮影時に自動的に主被写体に設定してくれるという。

デジタル一眼レフカメラとして初めて、「顔認識AF/AE」機能を搭載した松下電器産業「LUMIX DMC-L10」。撮影中の被写体を液晶モニターに映し出せる「ライブビュー」機能と、可動式の液晶モニターを搭載。ファインダーをのぞき込む必要がないので、フレーミングの自由度が高い(画像クリックで拡大) キヤノンのコンパクトデジカメのフラッグシップモデルとなる「PowerShot G9」。顔の上に表示されているAF枠を動かすことで、ピントを合わせたい主被写体を選択できる。また、選択した主被写体に継続してAFを合わせる追尾機能もある(画像クリックで拡大)