コンパクトで低価格ながら明るい標準ズームレンズ

シグマ 18-50mm F2.8 EX DC




シグマ

18-50mm F2.8 EX DC

実売価格:6万2800円

発売日:2004年8月26日

 明るいレンズはサイズが大きくて重いうえ、何より価格が高い…というイメージを持っている人は多いだろう。特に、開放F値が2.8通し(=画角を変えても絞り値が変動しない)のレンズは、憧れの一品といってもよいだろう。

 今回は、そのような優れたスペックを持ちながら、比較的手ごろな価格で入手できるシグマの「18-50mm F2.8 EX DC」をピックアップ。キヤノンの「EOS Kiss Digital N」に装着して、博多の夏の風物詩である博多祇園山笠の最終日に行われた「追い山」を撮影してみた。

10万円高の純正レンズに匹敵する写りと高級感を持つ

 この追い山は、15日間にわたる祭りのクライマックスともいえるイベントだ。博多の8つの流(ながれ)が、早朝4時59分の一番山のスタートを皮切りに、次々と約5kmの道のりを疾走していくというもの。撮影においてネックとなるのは、まだ太陽が昇りきっていない薄暗い早朝から始まるということで、明るい広角ズームレンズが欲しくなるシチュエーションだ。

 祭りの撮影スタイルは、遠くから望遠レンズで狙う方法と、近づいて広角レンズを使って撮影する方法の2つに分けられる。今回は、迫力を出すために広角ズームレンズを使い、なるべく被写体に近づいて撮影することにした。ただし、祭りだけに周囲は殺気立っており、しかも沿道から「勢い水」が頻繁にかけられることもあって、安全な場所を選んで撮影している。

EOS Kiss Digital N付属の標準ズームと比べても若干大きいぐらいで、この明るさのレンズとしてはコンパクト。重量はそれなりに重く、ボディーに装着するとずっしり感じる 奥の付属ズームレンズがプラスチックマウントを採用しているのに対し、18-50mm F2.8 EX DCは高級レンズらしく金属マウントを用いている。見た目の高級感も段違いだ

 今回使用した18-50mm F2.8 EX DCは、35mm判換算で28.8〜80mmと、標準ズームに相当する画角を持っている。開放F値は2.8と明るく、しかも画角を変えても開放F値が変動しないタイプであり、スペック的には高級ズームレンズに属する。もちろん、いくら明るいといっても、照明の乏しい夜間のシーンをストロボなしで撮影できるほどの明るさではないが、非力な内蔵ストロボしか使えない場合などに威力を発揮してくれる。

 何より助かるのが、小型軽量であることだ。スペックが似ているキヤノンの「EF 16-35mm F2.8L USM」が600g、ニコンの「AF-S DX Zoom Nikkor ED 17-55mm F2.8G(IF)」が755gであるのに対して、このレンズは445gと200g近く軽量なのだ。祭りの最中、レンズを付けたカメラをずっと肩から下げて走り回ることを考えると、少しでも軽いのはありがたいところ。また、祭りは何より動きが激しく、一緒に走りながら片手で撮影するということもあるため、重いよりは軽いほうがはるかにラクなのだ。この軽量化には、APS-Cサイズの撮像素子に特化したという点が大きく貢献しているのだろう。

ワイド端での長さは85mm(左)で、テレ端までズームしても104mm(右)で収まるなど、倍率が高くないのでそれほど伸びない。レンズが重いこともあり、安定して構えられる

標準で花形フードが付属する。シグマ製レンズらしく、フードにもレンズ本体と同じ高級感のある塗装が施されている

 また、前述のメーカー純正レンズと比べて、価格がひと桁違う点にも注目したい。純正レンズの実売価格が18万〜19万円もするのに対して、このレンズは6万円台前半と、手の届く価格帯に収まっているのだ。

 そのように低価格ながらレンズ本体の質感は十分で、高級レンズを付けているという気分にさせてくれる。ズームリングの重さに関しても、軽すぎたり重すぎることもなくいい感じで、ズーム域の違いによるトルクの変動もそれほど感じられない。超音波モーターを搭載していないため、オートフォーカスの動きは多少機敏さに欠ける印象があるものの、決して遅いとか合いにくいということはないため、ストレスはそれほど感じなかった。