ソーテックとメルコが発売する「Play@TV」は、パソコンに保存してある動画ファイルや画像ファイル、音楽ファイルを、テレビに表示して再生できるホームネットワーク製品。ソニーの「ルームリンク」と似たコンセプトを持つ、一種のセットトップボックスだ。ソーテックがメルコに話を持ちかけ、メルコ側でインタフェース面に大幅な改良を加えて、現在の形になったという。

Play@TVの背面。Sビデオ端子よりも高精細な出力が可能なD1出力端子や、無線LANカード用のPCカードスロットを備える。対応する無線LANカードはメルコの「WLI-PCM-L11」「WLI-PCM-L11G」「WLI-PCM-L11GP」で別売となっている


 パソコンとPlay@TVの通信には、有線LAN(10BASE-T)のほか、IEEE802.11bの無線LANを利用できる(無線LANカードは別売)。わずらわしいLANケーブルの配線をせずに、リビングのテレビへコンテンツを配信できるのが特徴だ。

 ただし、推奨されるネットワーク環境は、PCとPlay@TV本体との間に、無線区間が一カ所だけ。たとえば、無線LANルーターを挟んで、PCとPlay@TVの両側で無線LANを使う構成は、映像を送る際に十分な速度を得られないとして、推奨されていない。



●ウィザード画面で手軽にセッティング

 ホームネットワーク製品はネットワークの知識が必要なため、まだまだ初心者には敷居が高いのが現状。しかしPlay@TVでは、ウィザード式の導入画面を用意し、初心者でも手軽にセッティングできるように工夫されている。

 今回は、下図のような無線LANルーターを間に挟んだ環境で利用してみた。Play@TVをテレビに接続すると、テレビ画面にウィザード画面が表示され、リモコンを使って利用環境を選ぶことで設定が完了する。もちろん、無線LANルーターを間に挟まない設定や、有線LANのみのネットワーク構成にも対応。あとは、PC側でセッティングプログラムを起動すれば、ネットワーク上のPlay@TVを自動検索して、利用可能な状態にしてくれる。このあたりはとても親切で、初心者でも困らないだろう。

 なお、Play@TVにコンテンツを配信するPCの動作環境は、CPUがPentium 4 2GHz以上、Athlon XP 2200+以上、メモリーは256MB以上(512MB以上を推奨)、OSはWindows XP SP1以降となっている。ソーテック製以外のPCでも問題なく動作するが、かなり高スペックを要求するので、導入には注意が必要だ。


今回は、無線LANルーターを中心にした構成で実験。サーバーとなるPCは、ルーターと有線LANで結び、Play@TVは無線LANで接続した。今回の構成は、無線LANルーターを利用している一般家庭の環境に近く、現実的だろう。Play@TVを無線LANルーターの配下に設置すれば、PCで利用するインターネット設定などはそのままでOKだ

●Play@TV側の設定●PC側の設定
初期設定でPlay@TVをテレビに接続するとウィザード画面が起動。利用環境に合わせて、有線LAN/無線LAN、固定IP/DHCPなどを選ぶことで設定が終了する。これでPlay@TVは、PCからのアクセスを待つ、待機状態となる Play@TV側を待機状態にして、サーバーとなるPC上で設定プログラムを起動。プログラムは、ネットワークに存在するPlay@TVを検索してPCを登録する

●無線でもコマ落ちが少ない

 ネットワークのセッティング完了後、Play@TVに配信するコンテンツをPC側で設定する必要がある。配信するコンテンツを管理するPC側のソフトが「メディアオーガナイザー」だ。メディアオーガナイザーにファイルを登録すると、そのファイルがPlay@TVで視聴可能になる。

 メディアオーガナイザーは、音楽、動画、画像とカテゴリーごとにファイルを分けて管理する。ファイルをアルバムごとにまとめることも可能など、機能は豊富だ。ファイルの追加も、ドラッグ・アンド・ドロップのほか、フォルダごとの一括インポートにも対応するなど操作性もよい。

 なお、配信可能なコンテンツは、あくまでもPCに静的に保存されたファイルだけ。たとえばPCのテレビチューナー機能を使って、放送中の番組をPlay@TVに配信することはできない。また、Play@TVにコンテンツを配信できるPCは、設定時に登録したPC1台のみとなる。


配信するコンテンツを管理するソフト「メディアオーガナイザー」。メディアオーガナイザーに登録したファイルが、Play@TVで閲覧可能になる。サポートするファイル形式は、音楽ファイルがMP3、WAV、WMA、画像ファイルがJPEG、BMP、動画ファイルがMPEG1、MPEG2、DivX、WMV

 Play@TVは、テレビ画面に表示されるメニューを付属リモコンで選ぶことで操作する。実際にPCのコンテンツを、Play@TVを接続したテレビで視聴してみた。

 まずは動画。動画ファイルのビットレートは、スムーズな再生を実現するために、有線LAN時がMPEG2 4Mbpsまで、無線LAN時がMPEG2 2.5Mbpsまでが推奨されている。それを超えるビットレートファイルも配信できるが、音声が途切れたりコマ落ちが発生するなど実用的ではない。そこで、MPEG2 2.5Mbps以下のビットレートに再エンコードしながら送信するオプションも選択可能だ。

 このような仕様のため、実効速度が4Mbps程度といわれている無線LAN(IEEE802.11b)を利用してもコマ落ちが発生せず、スムーズに視聴できるのがうれしい。ただし、ところどころ圧縮特有の画像のツブれが目立ち、お世辞にも高画質とはいえない。


●テレビのメイン画面●動画ファイルの再生
テレビ側のメイン画面。「music」「video」「photo」というメニューが現れる。リモコンでこれらを選択して操作する メイン画面で「video」を選ぶと、メディアオーガナイザーで登録した動画ファイルが一覧表示される。画面に表示されるアイコンも、メディアオーガナイザーで指定可能

 静止画ファイルの場合、スライドショー形式での再生も可能だ。テレビの前でくつろぎながら、PCのコンテンツを大画面で視聴するのは、なかなか快適だった。


●音楽ファイルの再生●画像ファイルの閲覧
音楽ファイルの再生画面。アルバムとして登録したファイルが一覧表示される。曲を選択すれば、再生がスタートする 画像ファイルは、登録したアルバム単位でスライドショー形式で再生可能。画像ファイルの左右90°回転も、リモコン操作でできる

●リモコンの操作性がイマイチなのが惜しい


Play@TVでは、リモコンを使って各種操作を行う。付属するリモコンは、ボタンの配置が工夫がなく操作性はイマイチ

 テレビに表示されるメニュー画面は見やすいが、残念ながら操作するリモコンの使い勝手がイマイチ。頻繁に使う一覧メニュー表示用の「music」「video」「photo」のキーがリモコン上部にあり、中央の操作系のキーから離れていて使い難いのだ。さらに、コンテンツを停止する「STOP」キーも、ボタンに埋もれる配置のため場所を覚えづらい。できれば、よく使うキーを中央に集めてほしかったのだが…。

 とはいえ、全体的に見れば、セッティングも手軽で映像もなかなか快適。動画再生にDVD並みの本格画質を求めるユーザーには向かないが、テレビの大画面で家族みんなとPCのコンテンツを楽しむ場合は、これで十分だろう。価格も3万円程度とホームネットワーク製品としては安く、利用するPCのメーカーを選ばないのも魅力だ。

(堀越 功=WPC ARENA)



製品名Play@TV PC-MP1000
開発・販売ソーテック、メルコ(単体ではメルコが販売中。ソーテックは自社PCとのセットで出荷予定)
価格2万9500円(メルコ)
インタフェースPCカードスロット(Type II、802.11bの無線LANカード専用)、LAN(10BASE-T)、Sビデオ出力、ビデオ出力、D1出力、音声出力、SP/DIF出力
外形寸法/重さ192(W)×53(H)×192(H)mm/840g
詳細情報http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/
catalog/item/p/pc-mp1000/