ソニーのクリエといえば、PDAのなかでもそのスタイリッシュなデザインで人気のシリーズだ。クリエシリーズには大きく分けてAVフラッグシップ、ビジネススタンダード、カジュアルスタンダードと3つのモデルがある。

 このうちAVフラッグシップとカジュアルスタンダードの2モデルは、それぞれ「PEG-NZ90」と「PEG-SJ33」としてこの2月に発売されたばかり(レビュー記事はこちら)。

 残るビジネススタンダードが、今回登場した「PEG-TG50」(予想実売価格3万9800円前後)。3月15日に発売予定である。これで3モデルがすべて新機種に入れ代わることになる。

 「PEG-TG50」は、旧機種「PEG-T650C」の後継機となるが、外観や機能など変わった点がかなり多い。まずは外観からチェックしてみよう。

●キーボードが付いて、グラフティエリアが無くなった!?

 パッと見ですぐ気づくのは、PEG-SJ33と同じくハードフリップカバーが付いた点だろう。半透明だったPEG-SJ33のフリップとは違い、PEG-TG50はアルミ板を貼り付けた高級感あふれるもの。裸のままポケットやバッグに入れても割れたりすることなく画面をしっかりと保護してくれそうだ。フリップが付きながら厚さ約16mmとスリムなのもいい。

 カバーを開けると、違いがもっと明らかになる。PalmOS搭載機におなじみの手書き文字入力用のグラフィティエリアがなくなり、代わりにキーボードが付いているのだ。折りたたみ式の「PEG-NR70/V」が同じような仕様だったが、スタンダードサイズのクリエでグラフィティエリアがなくなったのはこの機種が初めてだ。

キーボードはPEG-NZ90に搭載されていたものと同等のようだ。タッチが固く押しやすいとはいえないが、文字入力時には打ち間違いが少なく安心。アプリケーション起動ボタンの左側にはホーム、メニュー(長押し)ボタンが、右側にはグラフィティ起動、検索(長押し)ボタンが配されている。どのキーもスタイラスで押せるようにくぼみがある

 とはいっても、グラフィティが使えなくなったわけではなく、文字入力可能な状態で専用ボタンを押せば、画面上にバーチャルグラフィティエリアが現れ、従来通りグラフティ入力も可能。この場合、画面全体に表示されるため、元の画面は隠れてしまうのが難点だ。文字入力はできるだけキーボードを使ったほうがよさそうだ。

 なおこのキーボード、操作中はオレンジ色のバックライトが点灯するので、真っ暗な場所でも入力可能。見た目にもカッコいい。

キーボード入力時にはオレンジ色のバックライトが点灯し、暗い場所でも入力作業が可能 フリップカバーはアルミ板を貼り付けた高級感あふれるタイプ。別売で透明なカバーも欲しいが、どうだろう?

●ビジネス用途に使えるボイスレコーダー機能も

 CPUは、PEG-NZ90やPEG-NX70/Vなどと同じPXA250(200MHz)になり、パフォーマンスが劇的にアップ。それに伴って、OSもPalm OS 5に変わっている。通信機能も強化され、Bluetoothを新たに内蔵。対応通信機器とワイヤレス通信が可能だ。

 ビジネス向けクリエということで、ビジネス向け機能も豊富。本体にマイクを内蔵し、ボイスレコーダーとしても使えるのだ。もちろんワンタッチで録音できるボタンも追加されている。このあたりはよく使う機能だけにありがたい。音楽再生機能(ATRAC3、MP3対応)は従来通り搭載しているが、ヘッドホンは付属していないので、別途用意する必要がある。また、リモコンにも対応していない。

左側面上にはボイスレコーダー起動・録音のためのRECボタンが新設されている マジックゲート対応メモリースティックスロットは上面に。Bluetoothランプは機能がオンになっていると青く点滅。通信時には常時点灯する

付属の「PicselViewer」でWord文書を表示したところ。拡大縮小表示は自由自在だ
 内蔵ソフトや付属ソフトも、カメラ関係などを除きPEG-NZ90とよく似ている。新しい「CLIE Launcher」はもちろん、WordやExcel、PowerPointといったOffice文書やAcrobat文書などのドキュメントを表示できる「PicselViewer」も付属している。ブラウザーの「NetFront v3.0 for CLIE」やメールソフト「CLIE Mail」もあるので、通信で受け取ったビジネス文書を表示して確認といったこともPEG-TG50本体のみで可能だ。

 PEG-TG50は、画面解像度は320×320ドットと従来のクリエと同等で、ハードウエア性能やソフト構成は上位機とほぼ同じ。予想実売価格も3万9800円とかなり低めに抑えられている。

 下位モデルのPEG-SJ33にメモリースティックタイプのBluetoothアダプター「PEGA-MSB1」を加えると、逆に1万円近くも高くなってしまうことを考えると、このお値段はかなりお買い得といってよい。スリムで薄型の本体、使いやすいジョグダイヤル、入力はグラフィティよりも確実に速いキーボード、ビジネスに使えるアプリケーション、ボイスレコーダー機能、Bluetooth内蔵と、かなり魅力的なスペックが詰まったこのクリエ。先ごろPEG-SJ33を買ったばかりの筆者だが、試用してみて欲しい度がグーンと高まってきてちょっと困っている今日このごろだ。

(関 司=ライター)


機種名 CLIE PEG-TG50
OS 日本語版Palm OS 5
メモリー 16MB(DRAM)/16MB(ROM)
バッテリー
(持ち時間)
内蔵型リチウムイオンポリマー充電池(通常使用で約11日間)
外形寸法/重さ 71.6(W)×126(H)×16.2(D)mm/約184g
発売日 2003年3月15日
予想実売価格 3万9800円
詳細情報 http://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-TG50/