松下電器産業

LUMIX DMC-FZ20

実売価格:7万3500円(税込み)

発売日:8月27日

 松下電器産業の「LUMIX FZシリーズ」は、モータースポーツや航空機を趣味で撮影するユーザーに人気の高倍率ズームデジカメだ。価格を比較的低く抑えながらも、プロが使用する大型レンズも顔負けの望遠撮影を実現しており、被写体に近寄ることができないスポーツや動物などの撮影では、必要不可欠なスペックを持っているのが特徴。そこで、発売直前となったFZ20の実力をチェックしてみよう。

光学12倍ズームモデルがついに500万画素化した

 今回新たに登場した「DMC-FZ20」(以下、FZ20)は、ベストセラーとなった旧モデル「DMC-FZ10」に、高倍率ズーム機としては最高となる有効500万画素のCCDを搭載したモデルだ。

400万画素の従来モデル「DMC-FZ10」の雰囲気を色濃く残しつつ、500万画素のCCDを搭載した「DMC-FZ20」。大きなレンズはそのままに、本体は少し角が取れたデザインに変更された。なお、ボディカラーはブラックも用意される

背面のレイアウトはFZ10とほとんど変わりない。大きな2インチの液晶モニターは見やすいが、明るい屋外ではEVFを利用するのがおすすめだ

 変わったのはCCDだけではない。デザインはオーソドックスなカメラ然としたスタイルであることに違いないのだが、グリップの形状をより握りやすいものに進化させたという。レンズの大きさがひときわ目立つ本機は、重量バランスが悪い部類に入ると思われる。そういった事情から、グリップは重要な役割を果たすのだが、まだ細いというか手にフィットしてくれないという印象を受けた。筆者の手が比較的大きいのが原因かもしれないが、もう少ししっかりとした大きさのグリップがほしかったところだ。

 操作系で大きな変更点といえば、右肩の撮影モード切り替えダイヤルに、P(プログラムAE)、A(絞り優先AE)、S(シャッター優先AE)、M(マニュアル露出)の4つのモードが独立して用意されるようになった。FZ10では、これらのモードがPとA/S/Mの2つに分かれており、3つにまとめられたモードのどれを使うかは、そのたびにメニューから選択しなければならなかった。

同時発売となる300万画素の下位モデル「DMC-FZ3」(右)と比べると、やはりひと回り以上は大きいことがわかる。ズーム全域F2.8の光学12倍ズーム機能や新画像処理エンジンなどはFZ20と同じなだけに、どちらを選ぶかが悩ましいところだ 付属のレンズフードは花形のものに変更された。DMC-FZ3は一発で取り付けられるように改良されたが、こちらはまずレンズ周囲のリングを外す必要があり、さらに微妙な位置合わせをしなければならないなど、相変わらず取り付けが面倒なのが残念

 シーンモードは、FZ10の5種類から10種類に倍増し、風景や夜景といった基本的なものも追加された。ダイヤルには2つのシーンモードポジションが設けられ、10種類の中からよく使うシーンモードをこの2つのポジションに設定しておける。動きモノの撮影が多い筆者は結局、流し撮りとスポーツの2つを頻繁に使用した。

画像処理エンジンの改善によりレスポンスが向上

 各社が競って性能向上を図っている画像処理エンジンだが、松下電器産業は2002年から自社開発の画像処理LSI「ヴィーナスエンジン」を採用している。FZ20では、これを進化させた「ヴィーナスエンジンII」を搭載してきた。画像処理エンジンに関しては、画質の改善にばかり目が行きがちだが、レスポンスの向上にも重要な役割を果たしている。

リチウムイオンバッテリーとSDメモリーカードは本体の底面に収納する。バッテリーはDMC-FZ3と共通なので、意外と小さめ バッテリーの充電は付属の充電器を使って行う。本体で充電を行わないのは、充電時でもカメラ本体を使えるようにとの配慮だ

 レリーズタイムラグは最速で0.008秒と、ふつうの使い方では意識しないほどの時間になっている。FZ10では0.1秒だったことから、劇的な短縮といってもよいだろう。特に、動きの激しい被写体を撮影する機会の多いこの機種では、シャッターボタンを押してからのレスポンスは大事な部分であり、タイムラグは小さければ小さい方がよいのだ。

 ただし、このメーカー公称値は一番よい条件で計測した場合の値であって、実際にはシャッターボタンを押してから画像が撮影されるまでに、それ以上の時間がかかっていると感じることもあった。とはいえ、高速な被写体を流し撮りする場合、FZ10ではかなり気を使わないとフレーム一杯に被写体を収められなかったのだが、FZ20は比較的ラクに収められるようになった。