IXY DIGITAL 400のボディを受け継ぎつつ、有効500万画素のCCDを搭載した「IXY DIGITAL 500」。本体は、レンズ周囲のカラーリングが一部変更されたのみで、デザインは旧モデルとまったく同様だ。希望小売価格はオープンで、予想実売価格は4万9800円前後。発売は3月中旬の予定だ

 高画質コンパクトデジカメの大ベストセラーとなったキヤノンの「IXY DIGITAL 400」に、ついに上級機が登場! スタイリッシュな外観や光学3倍ズームレンズはそのままに、500万画素のCCDを搭載した「IXY DIGITAL 500」だ。

●機能はほぼそのままにCCDを500万画素化した

 IXY DIGITALは、移り変わりの激しいデジタルカメラ界では珍しく、登場時からずっと同じデザインコンセプトを貫き通している人気シリーズだ。新製品としての斬新さはそれほど感じられないが、誰が見ても「キヤノンのIXY DIGITALだ!」とひと目でわからせるアイデンティティを持っている。

評判のデザインやボタンレイアウトにはあえて手を加えず、背面にダイレクトボタンを新設したのが外観の大きな違い。PictBridgeでの印刷時には、ボタンの中央が青色に光って状態を教えてくれる

背面のボタンは適度なクリック感があり、操作しやすい。液晶モニターは従来と同じ1.5インチで、大型化が見送られたのはやや残念

 今回新たに登場したIXY DIGITAL 500は、2003年3月に登場したIXY DIGITAL 400と比べてどのように変わったのかが気になるところ。だが、相違点はハッキリいって少ない。一番大きな違いは、背面に新設された「イージーダイレクトボタン」だ。これは、PictBridge規格に準じたプリンターと接続した際にはプリント画像の指定用ボタンとして、USBケーブルでパソコンと接続した際には画像転送ボタンとして働くもの。ユーザーの裾野をさらに広げる意味で設けられた、手軽な画像活用ボタンというわけだ。

 通常時の使い勝手に関しては、新たに「クイック撮影モード」が追加されるなど、いささか地味ながら進化している。これは、静止画の撮影時にオートフォーカスのスピードを大幅に短縮させる機能で、シャッターボタンを半押ししてからピントが合うまでの時間がかなりスピードアップするのだ。

旧モデルとなるIXY DIGITAL 400(左)と並べてみても、デザイン的な違いはごくわずか。大きさもまったく同じで、500万画素モデルとしてはとてもコンパクトにまとまっている オートフォーカスを高速化するには、メニューの「クイック撮影」の項目をオンにするだけでよい。実際に体感できるほど速度が向上するので、ぜひ有効にしておきたい

 IXY DIGITALシリーズは、ピント合わせ時のレンズ駆動音がもともと大きめなのだが、このモードを有効にすると甲高い駆動音とともに、瞬時にピントが合うようになる。ただし、この機能は液晶モニターのライブビューを省略することで実現しているため、ピント合わせの際は液晶モニターの表示が静止してしまう。もちろん、この動作音とライブビューのフリーズが気になる人のために、従来どおりのAFスピードを選択することも可能だ。

●斬新さはないが高品位で完成度の高い製品といえる

 画質は鮮やかな発色で、デジタルカメラならではのクリアさとシャープさが味わえる高品位なものに仕上げられている。暗い場面での撮影でもノイズの粒子が細かく、画像が汚れた感じになりにくいのは好印象だ。400万画素のIXY DIGITAL 400と比べると、ほんの少しシャープネスと解像感が上がっているように感じられるが、その差は小さいといえる。

※以下の画像をクリックすると、オリジナルの画像を表示します。なお、試用したのは試作機のため、製品版とは異なる部分が生じる場合があります。

夜間、ライトアップされたホテルをフルオート撮影。暗い条件での撮影だが、建造物のシャープな描写や、空の部分のノイズの少なさには驚かされる(ISOオート、1/8秒、F3.2) 植物をマクロで撮影。逆光状態での撮影なので空が白飛びしているが、階調のつながりは自然で気にならない。レンズがコンパクトなためか、ぼけた部分の輪郭が2重線のようになっている(ISOオート、1/400秒、F2.8)

 全体に見て、ボディの質感も画質も高品位で、完成度の高いコンパクトデジカメだと感じる。ただし、この完成度は旧モデルのIXY DIGITAL 400ですでに達成されていたもので、この機種での進化は少ない。起動時間の高速化や、ズーム/AF駆動などをもっとスムーズかつ静かにするなど、さらなるブラッシュアップを期待したい。

街を走る車の中から窓ガラス越しに撮影。極端な逆光状態なうえ、画面に太陽を入れる構図で撮影したが、レンズのフレアも少なくクリアな描写となった。ビルも黒くつぶれることなく再現できた(ISOオート、1/250秒、F2.8) 屋内型ショッピングモールの天井を、フルオートで撮影してみた。照明のハイライト部分も不自然な白飛びをおこさず、明るい部分から暗い部分まで豊かな階調で描かれているのがわかる(ISOオート、1/8秒、F2.8)

直射日光が強く当たる人工の小さな滝をフルオートで撮影。全体的な色合いはリアルだが、枯れた草の輪郭が太くクッキリとしすぎて、ちょっと不自然な描写になった(ISOオート、1/800秒、F2.8) 夜明け時のラスベガス市街をフルオートで撮影した。遠くの看板の細かな描写や、この時間帯独特の微妙な光の色が、思った通りに再現できたのは見事だ(ISOオート、1/60秒、F2.8)

(吉村 永)

製品名 IXY DIGITAL 500
発売 キヤノン(http://canon.jp/
希望小売価格 オープン
予想実売価格 4万9800円
撮像素子 1/1.8インチ530万画素CCD
有効画素数 500万画素
レンズ 光学3倍ズーム(35mm判換算36〜108mm)、F2.8〜4.9
撮影範囲 46cm〜∞(標準)、5〜46cm(マクロモード時)
最高記録解像度 2592×1944ドット
動画撮影機能 640×480ドット(最大30秒)
記録媒体 コンパクトフラッシュ
液晶モニター 1.5型TFT(11.8万画素)
ファインダー 光学ファインダー
PCとの接続 USB1.1
PictBridge 対応
電源 リチウムイオン充電池
外形寸法、
重量
87(W)×57(H)×27.8(D)mm、185g(本体のみ)
ボディカラー シルバー
発売日 3月中旬